2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04546
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
橋本 創一 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (10292997)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダウン症 / 学校適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダウン症のある児童生徒を対象として,①本人・保護者・教師に対する聞き取り調査・アンケート調査,各種諸検査を実施し学校適応に関する実態把握を行い,それに基づき②『ダウン症児のための学校適応支援マニュアル』を作成・開発し,個別の指導計画や合理的配慮の立案への有効性について検証することが目的である。研究成果として,モデル事例のデータベースを作成し,冊子にして配布する。同時にホームページで公開する。 <A>ダウン症児の学校適応に関する支援ニーズの把握A-①ダウン症のある本人への学校適応に関する聞き取り調査(H27.7-8月):対象は20歳以上/IQ85以上/のダウン症者。調査内容は小中学校時代の学校生活を振り返ってもらい,教師や学校環境などで必要なサポートや配慮についてである。また,ASIST-B尺度を自身で評価してもらった。 A-②保護者への学校適応に関するアンケート調査(H27.9月):対象はダウン症児の保護者6000名。調査内容はダウン症児の学校適応状況,教師や学校環境などで必要なサポートや配慮である。また,ASIST-B尺度項目を保護者に評価してもらった。 A-③教師へのASIST/学力テスト/体力テスト/学校適応に関するアンケート調査(H27.8月):対象者はダウン症児の担任教師2475名。調査内容は担任するダウン症児1名のASIST-B尺度,学力テストまたは学力到達度に関する質問項目,身長・体重・体力測定の結果,合併症とその配慮,行動特性とその対応などである。 A-④IASSIDD米国環太平洋地区会議でのダウン症研究や支援方策の収集:IASSIDD国際知的・発達障害学会の米国環太平洋地区会議で,アジアと米国におけるダウン症者の支援研究について討論/情報交換した(H27.5月)。対象者は米国と東アジア地区のダウン症を研究する者。調査内容は各国のダウン症児教育の現況と学校現場における合理的配慮についてであった。現在,収集したインタビューおよび調査によるデータを整理・分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,インタビュー調査,アンケート調査によるデータを収集し,分析を進めている。計画していたスケジュールに沿って研究を継続する見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
<A>『ダウン症児のための学校的お薄苑マニュアル』の作成・開発(H28.4-8月) H27年度のプロジェクトにより収集したデータを整理・分析し,ダウン症児の通常学級/特別支援学級・学校の学校フィールドに応じて,3領域:「合併症・身体特性」「知的・心理特性」「行動特性」における合理的配慮を検討し,支援マニュアルを作成・開発する。研究協力者と検討会を行う。※日本特殊教育学会H28大会(新潟大学)の自主シンポジウムにて広く意見交換を行う。 <B>『ダウン症児のための学校適応支援マニュアルの有用性の検証』 B-①研究協力校での適用(H28.10-H29.7月)研究協力校(特別支援学校,小学校特別支援学級,中学校特別支援学級,小学校通常学級)に在籍するダウン症事例と担任教師を対象に,支援マニュアルを用いた個別の指導計画の作成と実際の指導・対応に適用し有用性を検証する。
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Research Products
(3 results)