2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design of curriculum model for the child with high functioning autism
Project/Area Number |
15K04548
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡部 匡隆 横浜国立大学, 教育学研究科, 教授 (30241764)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉症 / 特別支援学級 / 教育課程 / 指導体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する知的障害のない自閉症児の教育課程モデルの開発を目的に、大きく2つの方向から研究を進めてきた。1つは、知的障害のない自閉症児の学校教育に関する国際比較研究、もう1つは知的障害のない自閉症児の実態解明と指導内容及び指導方法の開発研究である。 平成29年度は、事例研究の手法をもとに後者の研究を進めた。具体的には、小学校の特別支援学級に在籍する知的障害のない自閉症児2名、中学校の特別支援学級に在籍する3名の知的障害のない自閉症児1名、幼稚園年長児の知的障害のない自閉症児1名の4名を対象に、国語科と算数・数学科の習得状況の実態を把握するとともに、重点的に指導すべき内容の抽出と、それらの教科内容を習得するための必要な指導方法の工夫、必要な配慮について検討を行った。 その結果、まず、国語科及び算数・数学科の習得状況については、小学校2年生程度までの内容は一定に習得されていることが確認された。しかし、それ以上の学年の学習内容については教科の領域や内容毎に習得状況に差異が認められ、かつ学年進行とともにその差異が拡大していくことが明らかになった。したがって、知的障害のない自閉症児の教科指導では、児童生徒の習得状況の実態に応じて指導内容の精選や重み付けを行う必要が示唆された。 また、未習得であった指導内容について、教材や指導方法を工夫することで理解が促進されることが示された。そのため、知的障害のない自閉症児が、指導内容を効果的な学習のために教材や指導方法を指導内容にそってさらに開発していく必要があることが示唆された。 以上の結果にもとづき、算数・数学科及び国語科を例に、知的障害のない自閉症児の教育課程のモデル案を作成し、今後の研究においてさらにデータを蓄積しながら一般化を図る予定である。
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