2015 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害児の言葉と心の発達を促すiPadアプリ教材の開発とその実践的応用
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15K04554
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒木 友希子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30334741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / iPadアプリ / 人工内耳 / 手話 |
Outline of Annual Research Achievements |
前回の挑戦的萌芽研究で開発した漢字と手話の学習ドリル教材(iPadアプリ「手話えーもん」)を聴覚障害児に利用してもらい,この教材が漢字および手話を学習するのに有効な教材であったか,客観的でより深い実践的評価を実施し,その有効性を明らかにすることを目的とした。本年度は、石川県立ろう学校小学部に在籍する聴覚障害児2名を対象に,前回の挑戦的萌芽研究で開発した教材アプリ「手話えーもん」をインストールしたiPadを用いて,各子どもの学習ニーズに合わせてアプリを使用してもらった。なお,ろう学校での教育場面だけではなく,家庭生活を中心として使ってもらった。対象となった聴覚障害児の特徴にあわせてアプリをカスタマイズして利用してもらった。教員や保護者には,教材アプリを使用した際には,使用した課題,所要時間,使用した感想,ことばの発達の様子の評定などに関する記録をつけるように依頼した。教材アプリを導入する前,および,導入の途中,導入して半年経過後の三回にわたって,それぞれの聴覚障害児を受け持っているろう学校の教員,および,保護者に対してインタビュー調査をおこなった。その結果、前回の挑戦的萌芽研究で開発した教材アプリを使用することによって学習意欲が高まったことが報告された。特に、石川県立ろう学校で独自に実施している助詞検定の試験勉強に本アプリ「手話えーもん」を使用することによって、助詞検定にスムーズに合格することが可能になったことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、関係機関から協力を得て研究を遂行中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の荒木、および、分担者の武居がメンバーとなっている「聴覚障害児のためのアプリ教材開発研究会」が、平成27年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受け、開発した「手話うたアプリ」をさらに発展させる形で、人工内耳装用児を対象に,視覚的情報を用いて音楽の聴取をよりスムーズにおこなえることを支援する教材アプリを開発、応用的実践をおこなう。
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Causes of Carryover |
本課題は追加採択であり、予算執行期間が短かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度のアプリ開発にかかる経費が当初計画よりも多くかかる見込みのため、次年度のアプリ開発費に追加して使用する計画である。
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Research Products
(1 results)