2017 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害児の言葉と心の発達を促すiPadアプリ教材の開発とその実践的応用
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15K04554
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒木 友希子 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30334741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武居 渡 金沢大学, 学校教育系, 教授 (70322112)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 聴覚障害 / 人工内耳 / iPad / アプリ / 手話 / 音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究として開発をおこなった音楽アプリ「手話うたアプリ」に関して、楽曲の追加をおこなう改訂版を作成したことが29年度の主な研究成果である。具体的には、平成28年度に開発したアプリに収録されている楽曲は「ビリーブ」だけであったが、29年度に追加する楽曲の選定を詳細に実施し、最終的には「この星にうまれて」という楽曲の歌詞や映像、楽譜、音源を作成し、28年度に開発したアプリの改訂版として楽曲の追加をおこなった。アプリの公開手続きをおこなっているところであり、平成29年度内には公開ができなかったが、平成29年度のはじめにはAppStoreでの無料公開をおこない、ろう学校においてこのアプリを用いた実践的応用研究をおこなう予定である。 また研究成果の報告実績としては、平成28年度に実施したインタビュー研究を査読付き学術論文として刊行した(荒木友希子・荒井瑠夏 2017 幼児期に人工内耳埋め込み手術を施行した聴覚障害児のアイデンティティ形成について 心理学の諸領域, 6, 49-59.)具体的には、先天性重度聴覚障がいのある人工内耳装用児2名を対象に、自身の障がいや人工内耳についてどのように受け止めているかインタビューを実施た。人工内耳装用児本人の障がい受容、精神的健康、アイデンティティ形成に対して、居場所と物語という観点から質的分析をおこない、人工内耳が聞こえる保護者とのコミュニケーション手段として機能することが重要であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聞こえる子どもと聞こえない子どもが一緒に使って音楽を楽しむことができることをめざした、これまでにない新しい手話歌音楽アプリの第一弾を平成28年度に開発し、それをふまえて29年度には改訂してさらにバージョンアップすることができたことから、順調に新調していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成30年度では、29年度に改訂したアプリの無料公開をおこない、アプリに収録されている楽曲「この星にうまれて」を課題曲とした第二回手話歌コンテストを実施する予定である。これをふまえて実践的応用をおこなう予定である。
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Causes of Carryover |
年度内に発注した洋書に関して、品切れだったことが年度末に判明し、そのため代替品の入手に時間を要した。最終的にその洋書代を次年度に持ち越すこととなった。使用計画としては、次年度に入ってから代替品を納品してもらう予定である。
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Research Products
(1 results)