2018 Fiscal Year Research-status Report
通常の学校における「医療的ケア」提供システムの設計と開発
Project/Area Number |
15K04559
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉利 宗久 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (60346111)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 医療的ケア / インクルーシブ教育 / 通常の学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
国連においてインクルーシブ教育を標榜する「障害者権利条約」が採択され、わが国でも批准を迎えた。その理念の実現に向けた実践的課題の一つとして、多機関連携に基づく「医療的ケア」の提供が指摘されており、学校における実施体制の整備が求められている。本研究は、通常の学校における「医療的ケア」の提供を法的に保障しながら、その性質や提供者の役割を判例の蓄積を通じて確立しつつある米国の経験に着目し、「医療的ケア」をめぐる持続可能な学校システムの条件を明らかにする。具体的には、問題の構造を法制と実践の側面から究明するアプローチを採用することにより、以下の2つの問いに答えることを目的とする。 1)米国において如何なる議論が展開し、どのようなシステムが導入・運用されているのか。 2)教員は、どのようなサポートのもと、どのような役割を果たしうるのか。 本年度は、4年間の研究を通して、インクルーシブ教育の進展に即した「医療的ケア」提供のための連携体制における教員の基盤的役割を捉え、わが国における様々な制約や条件のなかで安全な実践を促進するシステムの要件を整理してきた。研究計画のとおり、教員に対する調査研究の実施、および研究の全体まとめの作業を実施した。調査研究等の成果は、本年度における学会発表(2件)を通して公表した。また、それらの成果を学術論文としてまとめる作業も継続的に進めており、近日中に公表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果の進展及び公表については、計画の通り進展している。ただし、自然災害(豪雨)による一部予定の変更がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
一部、実施できなかった研究成果の公表について、随時実施していく予定である。
|
Causes of Carryover |
豪雨災害による関西国際空港の閉鎖により、海外からの共同研究者の来日が不可能となり経費の執行を実施しなかったため、次年度使用額が発生した。代替可能な研究方法を検討し次年度の有意義な執行を行う予定である。
|