2015 Fiscal Year Research-status Report
知的・発達障害児の運動発達アセスメント:画像処理技術を用いた支援ツール開発と活用
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15K04574
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
雨宮 由紀枝 日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (40366802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 麻衣子 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (40220040)
森山 剛 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (80449032)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 知的障害 / 発達障害 / 運動発達 / アセスメント / 画像処理 / 支援ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「粗大運動アセスメント」実施のために画像処理技術を用いた支援ツールを開発して、アセスメントの利便性の向上を図り、療育現場において子どもの運動面の困難さを的確に把握し、科学的根拠に基づく発達支援を行うことである。 (a)先行研究レビューによる運動発達アセスメント項目の選定と評価基準の作成 国内外の先行研究レビューより、3~10歳対象の粗大運動発達検査であるTest of Gross Motor Development second edition(TGMD-2)(Ulrich, 2000)を選定した。移動能力6項目(走る、縦ギャロップ、片足跳び、立ち幅跳び、跳び越し、横ギャロップ)、操作能力6項目(打つ、ドリブル、捕球、蹴る、投げる、転がす)、合計12項目の基本的運動スキルで構成され、運動発達の質的な変化を観察により評価する。米国で開発・標準化され、信頼性・妥当性も検証されている。 (b)多様な動作を動画像処理し、アセスメントを半自動的に行う支援ツールを開発 幼児の待ち時間を最少にし、仲間と一緒に楽しみながら実施できるよう、選定した複数項目に沿った運動遊びを構成し、同時に4人ずつ実施。固定カメラ4台で録画した。処理プロセスは以下の4つからなる。① GUIを用いた前処理:動画中で被験者を検出・追跡を行い、被験者と項目ごとのショットを抽出。これはアセスメントしやすい映像となっている。② 画像処理による評価:①で得たショット映像を入力とする評価プログラムを実装・試行して、自動評価が可能な項目を選出。③ 目視による評価:自動処理が不可能な項目については、専門家が評価するためのGUIを設計・実装。④ 統計・検索等処理:②と③の結果を統合したデータベースとその検索ツールを作成。当初は③の必要があるので、目視評価をしやすくする工夫を行った。今後②を充実することが課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の目標である、(a)先行研究レビューによる運動発達アセスメント項目の選定と評価基準の作成、(b)多様な動作を動画像処理し、アセスメントを半自動的に行う支援ツールを開発、の2項目ともほぼ予定通り進んでいる。 (b)の課題中、切り出したショット映像を入力とする評価プログラムを実装・試行して、画像処理による自動評価を充実させていくことは、今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、アセスメントを半自動的に行う支援ツールの開発を進めていく。画像処理による自動評価を充実させることが目標であるが、自動処理が不可能な項目については、専門家が評価するためのGUIを設計・実装して、目視による評価を支援する。録画映像をデータベースとして蓄積し、検索システムも同時に開発する。支援ツールを実際に療育現場や教育現場で使っていくなかで、使い辛いところや、付加すべき機能などがあれば、随時改良を行っていく。 開発した支援ツールを用いて、通園施設における幼児の運動アセスメントを定期的に実施し、一人一人の発達支援に役立てる。アセスメント項目についても随時再検討し、必要に応じて項目の追加・削除を行う。支援ツールを用いることでどのくらいアセスメントの利便化が図られたのか、また子ども達の発達支援にどのように役立てていかれるのか、その有用性の検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
アセスメント実施の必要性に応じて運動器具を購入しているが、既存のもので代替可能のものがあった。 専門的な画像処理を行う場合に、画像委託分析費を計上していたが、未使用分があった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アセスメント項目の変更に応じて、運動器具を購入する可能性がある。 専門的な画像処理を行う場合に、画像委託分析費が発生する。
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Research Products
(1 results)