2016 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学における慢性疾患の学生の支援体制構築の検討
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15K04578
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
河合 洋子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (10249344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大見 サキエ 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 教授 (40329826)
合田 友美 宝塚大学, 看護学部, 准教授 (20342298)
滝川 国芳 東洋大学, 文学部, 教授 (00443333)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 小児看護学 / 慢性疾患児 / 病弱・身体虚弱 / 障害者差別解消法 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は私立大学の学生支援体制について聞き取り調査をした。対象は実習のある学部を持つ私立大学で2016年12月より開始した。1回の聞き取り調査の時間は60分から90分程度である。内容は、学生支援体制、障害種別対象とその状況、支援内容と特徴、病気・治療に関する学生の情報共有についてなどである。今年度は4大学実施した(現在も継続中)。学生支援体制は大学として組織されており、定期的に会議が開かれている。学生相談、保健相談、障がい学生支援の部門が分かれている大学(2校)とセンター化している大学(2校)があるが、いずれも学生部が統括していた。障害種別では大学により在籍状況に偏りがあるが、支援体制としては視覚・聴覚・肢体障害の対応について整備がなされていた。慢性疾患についてはいずれの大学も保健部門に任されていた。学生に対する配慮は、原則として本人の申請により対応が始まっていた。視覚・聴覚・肢体障害の支援の申し出は入学時から行われることが多いが、慢性疾患の学生からはてんかん発作、心臓病など症状が起きてから申し出るケースが多い。教育、保育、看護などの実習における学生支援は各学部・学科内で支援がなされていた。現段階での調査では、学生支援がより細かなところまで整備されつつあることが窺えた。しかしその対象に入る慢性疾患の学生の支援は必ずしもセンターで担われているわけではなかった。また、病気や治療が必要な学生の対応は個別であることが多く、特に実習では個々の教員の対応に任せられていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
慢性疾患の学生の支援体制のモデル案の作成にまで至っていない。理由は以下のようである。 今年度は実習のある学部を持つ私立大学での大学としての学生支援体制についての聞き取り調査を始めた。まず初めに、障がい学生支援体制の整っている2大学に実施したが、障がい学生支援センターが慢性疾患の学生の支援に直接関与していることが少なく、各学部に任されている状況であることがわかった。そこで、実習のある大学での学生支援の実情(特にセンターと学部との連携)と慢性疾患の学生の支援状況について調べる方向へと変更していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、実習のある私立大学での学生支援体制の聞き取り調査の継続と教職員および学生との情報共有の方法や啓発方法について検討するとともに次に続く研究課題を見出す。また2017年度は、新たに障がい学生支援での経験のある研究協力者(田中氏)を迎え、これまでの研究の分析と実習のある学科の慢性疾患の学生の支援のあり方と実習における大学での支援体制について検討する。特に慢性疾患の学生の支援について、病気等の情報共有と個人情報保護の取り扱いについてどのように考えたらよいかなど専門家の協力を得て検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
情報共有や個人情報保護の取り扱いに関して専門家による学習会を行う機会が持てなかった。また、2016年度に実施した聞き取り調査のテープ起こしについて年度をまたいで行ったことも予算の繰り越しとなった理由の一つである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
情報共有と個人情報保護の取り扱いに関する専門家を招くための謝金、そして新たに研究に参加となる研究協力者に対して会議や学会参加に関する旅費等が必要になる。また、現在論文投稿中(2つ)であるが、研究図書の購入、文献複写、英文校閲などにも使用する計画をしている。
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Research Products
(1 results)