2015 Fiscal Year Research-status Report
小児緩和ケアにおける医療と学校教育の連携システムの構築にむけた基礎研究
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15K04579
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Research Institution | Tenri Health Care University |
Principal Investigator |
近藤 恵 (有田恵) 天理医療大学, 医療学部, 助教 (40467402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
多田羅 竜平 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (50574787)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 他職種連携 / トータルケア / 病弱教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小児緩和ケアのトータルケアとしての医教一体体制の構築に向けた基礎研究を行う。小児緩和ケアと病弱教育をどのように組み合わせ、結びつければ、闘病中の子どもの生を支える適切な制度となりうるのか。闘病中(入院・在宅)の子どもに対して、トータルケアとして学校教育を診断時から治療・復帰までとぎれなく提供しているスウェーデン、子どもホスピス等小児ターミナル期の子どもへの学校教育の提供を行っているドイツのモデルを中心に、医療と教育の連携や他職種との連携という面について調査する。国内においては、小児がん拠点病院における学校教育の現状と医療と学校の連携についての調査及びアクションリサーチを行う。 初年度は、日本国内に15箇所ある小児がん拠点病院における学校教育の現状及びトータルケアの実情についての調査を行った。医療と教育の連携や他職種連携については、大阪市立総合医療センターでの聞き取り調査を行い、小児がん拠点病院の実情については、アンケート調査を行った。その結果、他職種連携においては、繋ぎのキーパーソンが重要な役割を果たし、本調査では、心理社会面の問題に精通している医療ソーシャルワーカーがつなぎ役として大きな役割を果たしていたことが明らかとなった。また、学校教育における多職種連携については、医療者と院内学級、院内学級と前籍校との連携において、病院間でかなり実情に開きがあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年次(平成27年度)は、次のような研究計画をたてて研究を行った。 1.共同研究者による第1回打ち合わせ会議を行い、研究実施を検討、確認する(4月~6月)。2.資料調査:国内外の文献収集(4月~8月)。3.国内調査:質問紙調査、聞き取り調査内容検討(6月~8月)。4.調査倫理審査:国内質問紙調査内容を大学の研究倫理委員会の審査にかける(8月~10月)。5.海外調査:渡独、渡瑞し、Alfred-Adler-Schule(独)、Kinderhospitz-Regenbogenland(独)、The Queen Silvia Children’s Hospital(瑞)での聞き取り調査及び資料収集を行う(10月)。6.質問紙調査、聞き取り調査の開始(平成27年11月~平成28年11月)調査紙調査については、これまでの調査により収集が非常に困難なため、平成27年秋~28年秋にかけて約1年のスパンで行う。また、教員に対するインタビュー、子ども及び保護者へのインタビューについても、内容と対象の選定をこの時期におこなう予定である。教員については、夏季休暇中(8月)を利用し、個別インタビューを行う。 7.学会等で情報収集するとともに、調査のまとめを行い、国際比較についての研究成果を学会・紙上発表する(11月~3月)。 上記のうち、1~4及び、6については概ね日程通り遂行でき、アクションリサーチのプログラム作成にむけて順調な資料収集ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に行う予定であった海外調査:渡独、渡瑞し、Alfred-Adler-Schule(独)、Kinderhospitz-Regenbogenland(独)、The Queen Silvia Children’s Hospital(瑞)での聞き取り調査及び資料収集を行うことができなかったため、平成28年度は海外調査を行うとともに、引き続き国内での調査紙調査を行っていく。 また、平成28年度はアクションリサーチの計画を行い、実施していく。
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Causes of Carryover |
当初研究初年次に計画していた海外調査を行えなかったため次年度使用額が生じた。初年次は、日本校内での調査紙調査及びインタビュー調査も行っており、両調査の協力者確保及び調査のを優先させ、海外調査を次年度に持ち越したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年次に計画した通り、渡独、渡瑞し、Alfred-Adler-Schule(独)、Kinderhospitz-Regenbogenland(独)、The Queen Silvia Children’s Hospital(瑞)での聞き取り調査及び資料収集のために使用する。
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Research Products
(6 results)