2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research about reasonable accommodation for student with disabilities in high school.
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15K04580
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
岡田 信吾 就実大学, 教育学部, 教授 (80645276)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高等学校 / 合理的配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
高等学校の授業中の合理的配慮の実態を明らかとするために、実地調査1回と質問紙調査3回を実施した。 実地調査では、東京都のエンカレッジスクール等と文部科学省などの研究指定校を訪問した。実地調査においては、学校長の強力なリーダシップの下、生活や学習のルールの徹底、ICTを活用した授業、教育課程の弾力的な編制による学びやすさの保証などがあった。同時に行った記述式の質問紙からは、エンカレッジスクール等と研究指定校の支援のあり方の違いが示された。エンカレッジスクール等ではICTの活用による多様な情報伝達の工夫と休み時間や放課後の時間も使用した個に注目した指導が行われていた。研究指定校においては、クラス全体の生徒の理解の促進を念頭に、分かりやすく簡潔な説明に努めることと、ノート整理の時間を授業中に設けるなどクラス全体としてのユニバーサルな対応のあり方が検討されていた。 次に実施した1校の全校生徒と教員を対象とした質問紙調査では、合理的配慮に対するそれぞれの受け取り方が検討された。生徒は、自分が配慮を必要とする状況にあるか否かにかかわらず、配慮をして欲しいとは思っていなかった。一方で、配慮を必要とする生徒は、友達が配慮を提供されることに嫌悪感を示していた。さらに教員との比較では、生徒の方が教員よりも配慮提供に寛容であった。 最後に、全国の高等学校の教師を対象としてその配慮の実態をみたが、ICT活用を含む個に注目した配慮については成績上位校ほど提供に前向きであった。一方で、全体に提供する配慮については成績下位校ほど提供に意欲的であった。 これらのことから、高等学校においては学校間の実態差が大きく、それぞれの学校においてより良く適合した配慮のあり方を探る必要性が示唆された。また、合理的配慮の提供に当たっては、自己権利保障として義務教育段階から本人の要請に応じて提供する権利保障教育の重要性が示された。
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Research Products
(2 results)