2017 Fiscal Year Annual Research Report
Consensus building process for determination of reasonable accommodation in special needs education
Project/Area Number |
15K04587
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
徳永 亜希雄 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (10359119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺 裕 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40439576)
田中 浩二 東京成徳短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (80611342)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 合理的配慮 / 合意形成プロセス / 基礎的環境整備 / ICF / ICF-CY / ポルトガル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で着目したICF及びICF-CY概念的枠組みの活用については,特に参加・活動・環境因子の視点から子どもの実態を多面的・総合的に捉えることにより,適切な合理的配慮の検討が可能となることがあらためて確認された.次に,合理的配慮や基礎的環境整備の観点・例示との適合性検討の結果,導かれた分類項目のセットは,見落としなく,多面的に子どもの実態を捉えることに寄与でき,合理的配慮や基礎的環境整備を検討していくために活用可能性があることが示された.他方,前研究においては,合意形成プロセス以前に合理的配慮の捉え方そのものについての検討をさらに進める必要があるとの結論を得,検討を進めた結果,合理的配慮とは「障害のない子どもと同様に,個々に応じた学習の機会を整える,スタートラインを揃えるための配慮」として,結論づけた.合理的配慮の方向性としては,成長発達段階にある子どもの学びを奪わない,過保護にならないものとなる必要があり,これまでのものに「加える配慮」だけではなく「差し引く配慮」もありえることと結論づけた. また,諸外国の一つとして,国全体の制度として子どもの実態に関するアセスメントや教育的ニーズの評価にICF-CYを活用しているポルトガルの取組に注目し,合理的配慮を含めた同国のインクルーシブ教育全体についても検討してきた.日本の小・中学校にあたる基礎学校で行われるインクルーシブ教育においては,Special School を改編したResource Centre for Inclusionによる支援が鍵となっており,日本の特別支援学校のセンター的機能を検討する上でも参考になることが示された. 本研究全体の成果として「合理的配慮決定手順(試案)」の作成をし,特別支援学校事例での検討を行った.今後,さらに実証・改善を重ね,小・中学校等での事例でも検討を進めることが課題として明らかになった.
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