2017 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ measurements of photocatalytic interfacial reactions using gold nanoparticles loaded titanium dioxide substrate
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15K04589
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 貢生 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (00431346)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プラズモン / 金ナノ粒子 / 光触媒 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、2本のレーザーパルスに遅延時間を設けることにより、時間分解計測系を構築した。金ナノ微粒子を担持した酸化チタン光電極にトリエタノールアミン存在下と非存在下の時間分解計測を行った。トリエタノールアミンは電子ドナーとしてよく用いられるため、プラズモン誘起電荷分離を利用した有機分子の光触媒反応を評価する上で適している。ポンプ光として波長565 nmのレーザーパルスを金ナノ微粒子に照射して局在プラズモン共鳴を励起し、酸化チタン電子伝導帯のポピュレーションを光学遅延させたプローブパルス(波長950 nm)により計測した。トリエタノールアミンの有無によって減衰カーブは顕著に時定数が異なり、トリエタノール存在下では緩和時間が非存在下に比べて遅くなることが明らかになった。これは、酸化チタン電子伝導帯から金ナノ微粒子への逆電子移動反応が、トリエタノールアミンの存在下で抑制されたことを示唆している。重要なのは本計測結果には立ち上がり成分があり、その時定数は100 fsであった。金ナノ微粒子のプラズモン共鳴波長の変化に基づいてフェルミ準位の変化を追跡したところ、同様に100 fsの時間スケールでプラズモン共鳴の長波長シフトが観測されたことから、金ナノ微粒子から酸化チタンへのホットエレクトロントランスファーが100 fsの時間スケールで誘起されると考察した。さらに、本研究では、酸化チタン薄膜を金ナノ微粒子と金フィルムにより挟むことにより高い効率で光電気化学反応が促進されることを明らかにした。また、金ナノ微粒子/酸化チタン界面を高分解能TEMとEELSにより解析して構造設計の最適化を導出した。このように、本研究では、2本のレーザービームを導入した反応計測系を構築して時間分解計測を行うとともに、電子顕微鏡計測を駆使して高効率に光触媒反応を促進する光電極設計の最適化を達成した。
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