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2015 Fiscal Year Research-status Report

マイクロ空間を利用した複合酸化物ナノ粒子の結晶成長メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 15K04608
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

原田 雅史  奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (90314525)

Project Period (FY) 2015-10-21 – 2018-03-31
Keywordsナノ粒子 / マイクロリアクター / 結晶成長 / 酸化物ナノ粒子 / フェライト
Outline of Annual Research Achievements

マイクロリアクターが作り出すミクロ空間内部での酸化物あるいは複合酸化物ナノ粒子の結晶成長(核生成、成長、凝集、結晶化)メカニズムを解明するため、本研究ではマイクロリアクターを用いた高温加熱反応により酸化物ナノ粒子の合成を可能とする反応システムを作製し、TEM, FT-IR, XRD, XPS, in-situ EXAFS法等を用いてナノ粒子の構造(粒径、形態、分散性)を明らかとすることを目標とした。
平成27年度は、SUS製のマイクロリアクター(2液混合タイプ)を組み込んだ簡便なフロー系ナノ粒子合成システムを構築した。そのシステムでは、2台のHPLCポンプを用い、原料の金属イオン溶液と保護剤の溶解した溶液を別々にマイクロリアクターに導入することができた。さらに恒温槽を用いて60~200 ℃の温度範囲でマイクロリアクターの温度制御を行い、全自動圧力調整弁、数個の高圧用バルブ、圧力センサーで圧力制御を同時に行った。
予備的な試料合成として、貴金属イオン(Pt, Pd, Rhイオン等)と高分子等の保護剤のアルコール水溶液を別々にマイクロリアクターに導入し、本システムを用いて貴金属ナノ粒子を高温下で合成できることを確認した。貴金属イオンの還元反応は2液が合流する点で開始するため、合流した点からの流路長を変化させることで反応時間を制御できた。また、マイクロリアクターの管径や流路長、反応原料や保護剤溶液の流速、使用する金属イオン錯体や保護剤の濃度を系統的に変化させた実験を行い、得られた貴金属ナノ粒子の構造制御を行った。今後は、本合成システムをさらに高温での酸化物あるいは複合酸化物ナノ粒子の合成に用い、得られたナノ粒子の結晶構造と磁気特性の関係を明らかにする。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題の助成金の交付内定が開始年度の後半からであったため、マイクロリアクターの購入やフロー系反応システムの完成が年度末になってしまった。
酸化物(Fe3O4, CoO, NiO, MnO等)ならびに複合酸化物ナノ粒子(フェライトナノ粒子MFe2O4, M = Co, Ni, Mn)の合成は150~200 ℃の温度範囲で行い、保護剤として比較的粘度の高いフォスフィドTOPOを用いることになるので、生成物によってマイクロリアクターに詰まりの生じない装置の設計が必要となることが分かった。この課題を解決することにより、目的とする酸化物ナノ粒子を大量に合成できる手法が確立できると考えている。
また、マイクロリアクターを用いる手法とは別に、マイクロ波を照射した急速加熱により、上記の酸化物ならびに複合酸化物を合成することに成功した。出発原料や保護剤の種類を変化させることでさまざまな複合酸化物を調製し、その構造を透過型電子顕微鏡(TEM)観察、粉末X線回折(XRD)、EXAFS測定等で明らかにできた。マイクロリアクターとマイクロ波を組み合わせることにより、酸化物ナノ粒子が合成できる知見が得られた。

Strategy for Future Research Activity

マイクロリアクターの管径や構造を見直すこと、あるいはマイクロリアクターとマイクロ波を組み合わせる合成システムを構築することにより、生成物による詰まりの抑制された酸化物ナノ粒子の大量合成手法を確立する。さらに得られた複合酸化物ナノ粒子の構造と磁気特性の関連を系統的に調査する予定である。具体的には、調製したナノ粒子の粉末X線回折(XRD)、蛍光X線分析(XRF)、透過型電子顕微鏡(TEM)観察およびEXAFS測定等を用いて構造解析を行う。また、ナノ粒子の磁化および保磁力の測定は、VSM(あるいはSQUID)装置を用い、室温および最大印加磁場下で行う予定である。

Causes of Carryover

本研究課題の助成金の交付内定が開始年度の後半からであったため、マイクロリアクターの購入やフロー系反応システムの完成が年度末になり、また実験計画も後半にずれ込み、試薬等の消耗品の購入が遅れたため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は、マイクロリアクターの材質をSUSから石英ガラスに変更して実験を開始するが、材料費の高騰に伴い、購入価格も上がっているため、その補てんに充てる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] マイクロ波加熱を用いた酸化物ナノ粒子の迅速合成と構造解析2016

    • Author(s)
      桑 雅子、原田雅史、佐藤良太、寺西利治
    • Organizer
      日本化学会第96春季年会
    • Place of Presentation
      同志社大学京田辺キャンパス(京都府京田辺市)
    • Year and Date
      2016-03-24 – 2016-03-27

URL: 

Published: 2017-01-06  

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