2017 Fiscal Year Annual Research Report
Plasmon enhancement mechanism for the circularly polarized luminescence and construction of a CPL detecting system with high detection sensitivity
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15K04610
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
原田 拓典 大分大学, 理工学部, 准教授 (80581339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 和夫 東京理科大学, 理学部, 准教授 (60281664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | キラル / 円偏光蛍光 / プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
有機CPL材料は、分子設計の自由度、多様な材料加工・操作性および比較的安価であるという利点から注目されている。有機CPL化合物の研究開発に関して、近年多くの注力が注がれているのが発光効率(Φ)と円偏光度(glum値)のtrade-offの改善である。CPL強度の定量的な評価の指標である、Kuhn非対称性因子の定義から、通常、高いΦを得ようとする場合、電気双極子(μ)許容遷移を必要とするが、この場合glum値が<10-3程度の小さい値となる。一方、大きなglum値は、磁気双極子(m)許容遷移から10-1程度の大きな強度が得られるが、発光強度は減少する。 したがって、高いΦと高いglum値を兼ね備えた材料を実現するために、1)立体構造と光遷移を加味した複雑な分子設計、2)化学修飾・超分子構造形成による光学的性質兼具を可能にする試みがなされている。しかしこれらの手法は化合物限定的なものであり、増幅率も数倍程度しか見込めない。そこでこれらに代わる代替案として3)金属ナノ粒子(NPs)-有機分子hybridによるシグナル増強法を提案している。本課題では、金属NPs表面に誘起される電場がキラル分子との励起子相互作用からキラリティシグナル増強が生じるメカニズム解明の研究を行い、glum値が小さい電子許容遷移シグナルの検出感度向上のためのLSPR増強分光分析の基礎概念を構築することを目的とした。得られた知見を以下に示す。(1)電子遷移吸収・蛍光に影響を与える因子は被電場増強分子により異なり、LSPR・NSET・量子収率・分子間エネルギー移動の因子が複雑に協同することが明らかとなった。(2)プラズモニックNPsのスペーサー長や形状異方性を導入したAgNPs@SiO2との相互作用から最大で約1.6倍のシグナル増強に成功し、LSPR効果によるキラル光学特性増強の可能性を実証した。
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Research Products
(13 results)