2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of atomic arrangement structure of novel nanoparticles and thin films of a non-long periodic system
Project/Area Number |
15K04616
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
坂田 修身 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 技術開発・共用部門, ステーション長 (40215629)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高エネルギーX線回折 / 2体分布関数解析 / X線吸収微細構造分光 / ナノ粒子-MOFハイブリッド材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
異なった焼成温度や時間でNiナノ粒子(NPs)-MOFハイブリッド材料(Ni-MOF-74)を熱分解処理して作製した試料の局所構造と電子状態を調べた。調べた試料は、Ni-MOFハイブリッド材料(Ni-MOF-74)、バルクNi(参照試料)、さらに、Ni-MOF-74を熱分解で作製した623K for 12 h (Ni36)、 673K for 12 h (Ni39)、 673K for 24 h (Ni40)の5種類である。用いた手法は、高エネルギーX線回折(XRD)の2体分布関数解析、X線吸収微細構造分光(XAFS)、硬X線光電子分光(HAXPES)、高分解能走査型透過電子顕微鏡(HR-STEM)である。 XRDの結果は、Ni36ではNi NPとNi-MOF-74が2相混合していること、Bi39, Ni40ではナノクラスターが形成されたことを示した。HR-STEM観察からそのクラスターサイズは、4.3、4.5、 5.0 nmであった。HAXPESの価電子帯スペクトルの解析から、Ni-MOF-74 →Ni36 → Ni39 → Ni40と変化するにつれ、その電子状態は、Ni2+からNi0に還元されたが、Ni40においても完全に金属Niになっていなかった。試料加熱温度が上昇したとき、価電子帯が大幅に狭くなること、およびdバンド中心がフェルミ準位へ移動することを示している。N39のXAFSの吸収端のエネルギー位置は、Ni36に比べて低エネルギーにシフトしていた。また、両方の吸収端近傍のスペクトル解析結果は、MOF配位子と金属の間で電荷移動が生じていることを示唆していた。原子間距離の解析から、加熱温度の上昇とともにNi格子の大きさはバルクNiに近づいたが、ナノサイズ粒子と表面配位子との界面応力の結果、Ni36、Ni39ではNi格子がわずかに圧縮されていることが分かった。
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Research Products
(9 results)