2017 Fiscal Year Annual Research Report
Precise control of nano-interface for diagnosis of Alzheimer's disease
Project/Area Number |
15K04632
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 筑波大学, 数理物質系, 講師 (90419242)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ナノ粒子 / ナノ界面 / miRNA / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のねらいは、申請者が独自に開発した「ナノ界面構築法」を基盤技術としてナノ粒子界面の最適化を行い、血中に存在するアルツハイマー認知症に関与するマイクロRNA(miRNA:バイオマーカー)を検出・定量できるシステムのプラットフォームを確立することである。本システムの特徴は、血液サンプルの複雑な前処理(エクソソームの単離とmiRNAの逆転写)をすること無く標的miRNAを高感度に直接検出・定量でき、かつ高選択性、高い再現性および簡便性を有している。すなわち、本システムは現在の高齢化社会において決定的な診断法がないアルツハイマー認知症の診断・予防に非常に意義深いものである。初年度(平成27年度)は、本研究目的を達成するうえで極めて重要である金ナノ粒子界面におけるDNAハイブリダイゼーションにおいて、金ナノ粒子界面の構造を最適化することに成功している。次年度(平成28年度)は、初年度の知見をもとにmiRNAの検出システムの構築を行なった。金ナノ粒子界面にDNAおよび最適な長さのPEG(ポリエチレングリコール)を固定化したDNA/PEG化金ナノ粒子とDNA化磁性粒子を組み合わせた、酵素・装置フリーなmiRNAの比色検出システム(無色→赤色)を構築した。最終年度(平成29年度)は、前年度に構築したmiRNAの検出システムの高感度化および検出時間の短縮を検討した。前年度に構築したmiRNAの検出システムではシグナルのみが増幅可能であったが、最終年度に構築したシステムでは、シグナルおよび標的miRNAの両方を増幅することが可能となった。その結果、このシステムでは、短い検出時間で低濃度の標的miRNAを検出することが可能であった。また、このシステムでは、血清存在下において標的miRNAを目視で検出することが可能であった。
|