2017 Fiscal Year Annual Research Report
Optical hydrogen sensor capable of wide range, high sensitivity and high speed detection by resonant grating
Project/Area Number |
15K04638
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水谷 彰夫 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (50400700)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 水素センサ / 共鳴波長測定 / 位相差測定 / グースヘンシェンシフト / 共鳴格子 / プラズモン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,将来の水素エネルギー社会に向けた安全性確保のため,水素濃度を広範囲で高感度・高速で検知できるパラジウム膜上共鳴格子型光学式センサの開発に向けて研究を行った. 高速に検知するために分光器を用いて,共鳴波長シフトを0.1秒で測定した.水素濃度が1%から4%において最も感度が高く,既報のセンサより高くなった.水素濃度分解能にすると0.13%となった. また,高感度・高速検知のための位相差測定法として,ラジアル偏光と呼ばれる中心から放射状に電場が振動する光を入射し,反射光の強度分布をカメラで取得し,位相差をワンショットで算出する方法を検討した.カメラを用いることで,測定の高速化および,画像というデータ量の多さから位相検出の精度向上が期待できる.高精度に検出するため,偏光パラメータ,ビーム中心,強度分布などの未知数から算出したビームプロファイルの仮想画像と取得画像とのマッチングをとり,最も高い相関が得られる偏光パラメータを探す手法を提案し,検証した.ここでは,実証のために,金膜を成膜したプリズムを用いた.従来手法である回転検光子法と比較したところ,両者はよく一致し,計算値とも一致した.位相差の繰り返し測定のばらつきより精度を評価した結果,3倍の精度が得られた. また,共鳴が生じるときに,反射光が急激な位相変化のために大きな位置ズレを起こすことが知られている.このズレをグースヘンシェンシフトと呼ぶ.この位置ズレをPとS偏光の差として測定することで,より簡易な光学系で高感度に位相の代替測定ができる可能性を数値計算で示した.次に,実際にグースヘンシェンシフトを測定可能かどうか,金膜プリズムを用いて,実験で確かめた.入射角を変えて,位置ズレの差を記録したところ,計算値とよい一致を示した. 今後は,これらの位相差測定方法を用いることで,水素センサの高感度化・高精度化が期待できる.
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Research Products
(4 results)