2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04659
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高倉 洋礼 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30284483)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 準結晶 / 非周期長距離秩序 / 高次元結晶構造解析 / 結晶評価 / X線多重回折 |
Outline of Annual Research Achievements |
準結晶は1984年に初めてその存在が報告された物質の新しい凝集状態である。非周期長距離秩序をもつ物質系の典型である準結晶は、現在では金属系だけでなく、デンドリマー、ABC星型共重合体などの高分子系、メソポーラスシリカ系などスケールで3桁も異なる大きな系でも発見されている。しかし、非周期長距離秩序構造の安定化と形成のメカニズム、その特異な構造と物性との関係は謎である。本研究は、いまだ詳細な原子構造が解明されていない多くの金属系正20面体準結晶の中で、特に希土類を構成元素に含む正20面体準結晶と、その関連複雑合金(近似結晶)の構造解析を行うことを目的としている。準結晶の構造解析例の蓄積により、将来的な非周期結晶工学による物性制御のための基礎を与えることが目標である。平成27年度は、Tsai型クラスターで特徴づけられるR-Cd(R:希土類元素,Gd,Tb,Tm)正20面体準結晶の構造解析のための放射光回折実験(ESRF)をフランス、アメリカとの共同研究の下に実施し、結晶評価を行うとともに、高次元構造解析に着手した。また、同様に、MgによるCd元素置換が最大60%まで可能なYb-Mg-Cd正20面体準結晶の構造解析に着手した。それらの構造解析の途中経過については、Aperiodic国際会議(プラハ)等で発表した。さらに、準結晶の高精度な構造因子データを回折実験より得るための検討として、X線多重回折の実験を、Al-Cu-Ru正20面体準結晶を用いて実験室系X線回折装置を用いておこなった。運動学的回折理論にもとづくシミュレーションを用いて、リニアフェイゾンによる対称性低下がX線多重回折パターンに及ぼす影響について評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
純良単準結晶試料を研究協力者から入手することができたため、R-Cd(R:希土類元素,Gd,Tb,Tm)正20面体準結晶の放射光回折実験により、本年度中に構造評価と高次元構造解析に着手できた。同様に、Yb-Mg-Cd正20面体準結晶の高次元構造解析に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
R-Cd(R:希土類元素,Gd,Tb,Tm)正20面体準結晶とYb-Mg-Cd正20面体準結晶の高次元構造解析は、順調に進行し、最終段階に至っている。これらの成果をまとめるとともに、R-Mg-Zn(R:希土類元素)正20面体準結晶の結晶成長、構造評価、高次元構造解析を進めていく。また、他の構造未知準結晶の構造解明を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
翌年度繰越残高は、3月中納品、4月支払いの消耗品分である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度繰越残高は、3月中納品の消耗品分であり、使用済みである。
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Research Products
(9 results)