2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04669
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
牧 祥 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (20502256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 政幸 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10221491)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | crystal growth / magnetic force / magnetic levitation / numerical computation / visualization / thermal properties |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気浮上による完全無容器条件下での結晶成長を実現するため、本研究予算で購入した高磁場2方向観察記録装置とサンプル全処理観察装置を用いて研究を行っている。2016年1月にJapanese Journal of Applied Physics 55, 035505 (2016)に磁気浮上結晶化技術に成果発表した。 この研究と関連し、磁気熱対流の側面からの可視化に初めて成功した。第28回バイオメディカル・ファジィ・システム学会年次大会でその成果を発表した。詳細は、現在、論文執筆中である。 磁気浮上化技術を応用し、おそらく世界で初めてとなるタンパク質結晶(卵白リゾチーム)の熱伝導率と熱拡散率の計測に成功した。本研究成果は国際学会IGNITE2016で初めて報告したが、詳細は2016年3月に日本熱物性学会に学術論文を投稿した。現在、査読結果待ちである。また国際学会のATPC2016でも発表予定(参加登録済)である。 2016年度は磁気力ブースターを用いて高性能な磁気浮上結晶化を行う。既に実験系の設計が終了し、業者と開発中である(5月後半に完成予定)。またタンパク質から不純物を除去するための精製も行っている。条件探索は既にほとんど終了し、6月から大量精製の予定である。 数値計算による磁場中での物質拡散や対流効果に関する解析も行っている。その一部は国際学会のICMS2015で発表した。詳細をまとめた論文を執筆し、投稿も済ませた。現在、査読結果待ち状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は磁気浮上結晶化だけを考えて研究を進め、論文化も行ったが、購入した機器のおかげで、新しい知見も蓄積することができた。当初考えていなかったような成果(磁気熱対流の可視化やタンパク質結晶の熱物性計測)の成果も上げることができ、順調に研究を遂行できていると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から行う磁気力ブースターを適用した磁気浮上結晶化技術はこれまで例がなく、新しい知見が期待できる。理論的には本手法に問題はなく、装置開発も順調に進んでいるので、なるべく今年度中に成功し、当初課題の大部分を終わらせるつもりで努力する。
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Causes of Carryover |
装置等の開発のために物品費に重点配分したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は磁気力ブースター等の開発予定があるため、2015年度同様、物品費に重点配分する必要が発生するかもしれないが、当初の予定していた予算内に収まるように努める。
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Research Products
(7 results)