2016 Fiscal Year Research-status Report
最高速CPU開発に向けた高品質バルク混晶シリコンゲルマニウム単結晶育成方法の確立
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15K04671
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
荒井 康智 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主任研究開発員 (90371145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 辰郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (40357984)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シリコンゲルマニウム / 結晶成長 / 赤外透過率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、SiGe高品質結晶育成に向けて炭素容器を利用したSiGe結晶(直径30㎜)育成を実施した。本年度は超高純度の炭素るつぼを利用してSiGe結晶育成を実施し炭素坩堝による育成の結晶品質評価として、炭素及び酸素の影響について検討した。 結晶品質評価方法として、ホール測定及び20μm領域まで光透過率及び光減衰率の測定を実施した。室温でのホール測定結果から、不純物混入量はSi37Ge67において、10-14乗のであった。ホール移動度は、不純物濃度が10-14乗台で飽和しており、十分な高純度でSiGe育成が出来たことが判明した。しかし、一部数ミリ角の坩堝との固着部分が結晶割れが回避できていない。ホール測定による不純物が結晶品質に与える影響を直接的に評価する方法として、光透過率及び光吸収率の測定を実施した。Ge結晶での光透過率は20μmまでであるが、Si37Ge67ではSiの透過特性に近く9µmでの酸素吸収ピークは共通であった。また、消衰係数の測定では、SiとGe単体にはない、20μmに大きな吸収ピークがあり、Si-Ge-Oが連動して振動する新たな吸収ピークである可能性がある。また、Si37Ge63結晶の折率は16µmで3.68とSiとGeの線形組成変化から若干低く、Si-Geの屈折率組成変化は経験的なnordheim則に沿った変化と考えられる。屈折率の組成依存性はこれまでに誤差が極めて大きく、今回の精緻な測定値は、Si-Ge合金がランダム配置を持った合金であるとのこれまでの描像を支持している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
15㎜角以上の大型結晶を複数枚製造し、高純度結晶の育成にも成功している。また、高純度化により、これまで誤差が多い物性値であった光学特性及びホール移動度の値も明らかにしてきており、SiGe結晶のベンチマーク化提供について順調に進められている。結晶の更なる改良点としては、結晶中に含まれる酸素量の減少と更なる大型結晶の育成である。
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Strategy for Future Research Activity |
結晶不純物濃度の観点から高純度炭素坩堝の利用が必須であると考えられる。この坩堝利用の課題として、結晶成長界面形状の湾曲を抑制すること及び坩堝内面と結晶との接着が挙げられる。このために、坩堝肉厚の制御と原料純度の向上を行う。
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Causes of Carryover |
炭素坩堝を利用した実験について、坩堝の熱伝達が非常に大きく、結晶育成中の温度勾配が小さかった為、一方向凝固にならず坩堝の側壁からも内部に結晶成長が進行し、適当な坩堝形状と原料形状を検討するのに時間を要したため、消耗品である原料調達費用と坩堝調達非常が繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は坩堝やSiとGe原料などの消耗品の調達及び外部への光学特性、電子物性測定などの結晶評価で使用する。
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Research Products
(3 results)