2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an environmental reflection high-energy electron diffraction apparatus for in-situ surface structural analysis under gas pressure
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15K04675
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中原 仁 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20293649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 吉已 大同大学, 工学部, 教授 (00238792)
齋藤 弥八 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90144203)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 反射高速電子回折 / 差動排気 / 表面構造解析 / 化学気相成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初計画より遅れていた作動排気用真空容器の製作を完了し、昨年度に完成していたレンズシステムや既存の電子銃を組み込んで調整・性能評価を行った。性能評価は、(1) 差動排気システムの性能(最大導入可能ガス圧)、(2) 二段レンズを介したビームロッキング機能、(3) ガス導入時の電子線強度と散乱による広がりの3項目について行った。 (1) 本装置で用いる電子銃(熱電子電子銃)は低真空下で用いると焼損してしまうため、安定動作させるには少なくとも10^-4Pa台前半以下の真空が必要である。試料室に大気を導入しながら電子銃部の真空を測定したところ、試料室真空度200Paにおいて電子銃部を8×10^-5Paに保てることを実証した。この値は設計時の概算(100Pa時に10^-4Pa台前半)を上回る結果である。 (2) 基板としてSi(111)面を用い、2対の偏向コイルを制御することで、入射側の二段レンズで差動排気オリフィス(初段はφ0.1mm、2段目はφ0.3mm)を通過させてビームロッキングが行えることを確認した。偏向可能な入射視射角範囲は現時点では0~4°程度で、当初目標(0~6°)よりやや狭い。現時点では偏向コイルや電子レンズの調整が最適化されておらず、更なる調整が必要であると考えている。 (3) 試料室に大気を導入しながらダイレクトスポットの強度プロファイルを計測し、圧力に対する強度と半値幅の挙動を調べた。スポット強度は1Paから徐々に低下し10Paで1/5程度まで減少したが、半値幅はほぼ一定値を示し、10Pa程度までは回折スポットの計測が可能であることを実証した。 以上のことから、当初の目標である数Pa~100Pa程度のガス圧力下で構造解析(電子線のビームロッキング)が可能な環境RHEED装置の開発に成功したと考えている。
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Research Products
(14 results)