2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and demonstration of a multi-objective optimization tool for high-current electron beam generation
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15K04740
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 良治 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 東海量子ビーム応用研究センター, 上席研究員(定常) (40354906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 司 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (50391769)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビーム輸送条件最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の加速器で得られるエミッタンスの非常に小さい大電荷電子ビームの挙動を解明するには、電子源で発生した低速の電子ビームが高周波加速空洞や電磁石などの加速器要素を通過し、光速の電子ビームとなるまでのバンチング、加速過程における個々の加速器要素の影響の理解が必須である。しかし、この過程には多数の加速器要素パラメータが寄与しており、加速器要素の全パラメータの最適化を行うことなく、電子ビームの挙動の客観的理解は難しく、限られた条件下での理解に留まっていた。そこで、本課題ではエミッタンスの非常に小さい大電荷電子ビームの挙動研究のために必要な多目的最適化のための数値計算ツールの開発及び本課題で開発したツールの実証に関する研究を進めている。4年目に当たる平成30年度は以下について実施した。 これまで使用していた2次元円筒対称モデルから現実に近い3次元モデルに変更した入射超伝導空洞のモデルを作成し、加速器シミュレーションコードにおける実ビームの再現精度向上を図り、計算機上で輸送条件の最適化を行った。この最適化の検証のために、cERL加速器においてビーム試験を行った結果、あらゆる条件に対応できているわけではないが、バンチ電荷60 pCの空間電荷効果が支配的な条件においても、2次元円筒対称モデルを用いていたときと比べて、オプティクスを設計条件にさらに近づけられるようになった。輸送条件が改善された結果、バンチ電荷40 pCのビーム輸送において2Dモデルを使用してオプティクス設計していたときに比べて、エミッタンスを低減することができた。これらの結果を「cERL における空間電荷効果が支配的な電子ビームの光学関数とエミッタンス補償条件の改善」という題名で、2018年日本加速器学会年会で報告した。
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Research Products
(1 results)