2016 Fiscal Year Research-status Report
レーザー生成プラズマの連続化による大電流ビーム生成技術の開発
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15K04743
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
柏木 啓次 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 主幹研究員(定常) (30391303)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レーザーイオン源 / 重イオンビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、レーザーイオン源で発生するパルスビームから連続ビームを生成する基礎研究として、レーザーイオン源で発生した2つのパルスをプラズマ輸送路中で重ねて連続化する技術の開発を行っている。 平成28年度は、1)炭素プラズマ発生価数分布測定 2)2つのプラズマパルスを生成するための2台のレーザーの合成ラインの構築 3)レーザーの発振タイミング制御用プログラムの作成 を行った。
1)炭素プラズマの価数分布測定:前年度に行なった炭素イオン価数分布測定データを詳細解析した結果、静電アナライザーへの印可電圧が低い領域における分析についてプラズマからのイオンの分離が十分でなかったことがわかった。そこで、高い印可電圧で分析可能な中心軌道半径が小さい分析電極を用いて再度価数分析測定を行ない、正しく分析結果が得られることを確認した。 2)レーザー合成ラインの構築:2つのプラズマパルスをイオン源内のレーザー照射ターゲット上の同一位置で生成するために、2台のレーザー機器から出力した2つのレーザー光を同一光路に合成する光学系を構築した。具体的には、一方のレーザーの偏光を1/2波長板で縦偏光にし、横偏光を透過し縦偏光を反射するポラライザーを用いて合成した。合成後のレーザーを最終集束ラインに導き、ターゲット上の同一点に各レーザーが集光することを確認した。 3)レーザー発振タイミング制御用プログラムの作成:2つのプラズマパルスを任意の時間間隔で生成するため、2台のレーザーの発振タイミング及び出力を制御するプログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラズマの連続化実証に向けプログラム開発や光路構築等が順調に進めたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2つのプラズマパルスの発生間隔を変化させてプラズマの特性の測定を行うとともに、輸送路中で2つのパルスの連続化する実験を行なう。
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Causes of Carryover |
出張計画の変更、及びレーザー合成光路を再設計して使用機器を最小限にしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に行なうプラズマ特性測定や連続化実証のための経費等に使用する。
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