2017 Fiscal Year Research-status Report
レーザー生成プラズマの連続化による大電流ビーム生成技術の開発
Project/Area Number |
15K04743
|
Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
柏木 啓次 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 主幹研究員(定常) (30391303)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 重イオンビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、レーザーイオン源で生成するパルスビームを連続化するための基礎的な研究として、2つのレーザーを用いて安定に連続してプラズマ生成可能なレーザー照射条件を明らかにすることを目的としている。 今年度は1)レーザーのエネルギーとパルス幅の測定・制御、及び 2)レーザー照射時間間隔を変えたプラズマ生成実験を行った。
1)レーザーのエネルギー・パルス幅の測定・制御:2つのレーザーによって同じ特性のプラズマを生成するには、レーザーのパルス幅・エネルギーを同一にする必要がある。そこで、各レーザーの励起と発振のタイミングを変化させてエネルギー及びパルス幅を測定するとともに、偏光方向を変える1/2波長板の回転角を変えて特定の偏光のみを通す偏光子の前後のエネルギーを測定することでこの偏光子によるエネルギーの減衰率を算出した。これらの結果に基づいて励起・発振タイミング及び波長板回転角を調整することで、エネルギーとパルス幅が揃った2つのレーザーをターゲットに照射することが可能になった。
2)レーザー照射時間間隔を変えたプラズマ生成実験:エネルギーとパルス幅を揃えた2つのレーザー(329mJ, 7ns) をグラファイトターゲットに照射した結果、各レーザーで生成されたプラズマのイオン電流波形はほぼ同じであることを確認した。そして、照射時間間隔を変えて生成プラズマのイオン電流波形を1msから10μsまで変えて測定した。この結果、2つのプラズマパルスのうちの先頭のパルスはどの時間間隔においても安定した波形であるのに対し、二番目のパルスは30μs以下では不安定になることを確認した。詳細な実験は次年度に行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までに計測システム・光学系の構築及び予備実験を行えたが、2台のうち1台のレーザーが動作不良となり、その原因調査と修理に時間を要したため、予定していた詳細実験の実施に遅延が生じた。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度までに構築した計測・制御プログラム及び測定データを活用して、レーザー照射時間間隔等を変えて生成プラズマ特性を詳細に測定し、安定に連続してプラズマ生成可能なレーザー照射条件を明らかにする予定である。
|
Causes of Carryover |
理由:実験計画変更に伴い次年度使用額が生じた。 使用計画:次年度行うダブルプラズマ生成実験の経費等に使用する。
|