2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04755
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 修 広島大学, サステナブル・ディベロップメント実践研究センター, 特任講師 (60253051)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線、X線、粒子線 / 内殻励起 / 化学物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年放射光利用技術の進歩により,X線領域における分光学が急速に進展した。X線照射後の放出電子や光の吸収,発光による情報は分子の局所構造や反応ダイナミクスを反映する。例えば,金属錯体の関与する触媒反応では活性中心にある金属原子が直接関与し,スペクトルに反映される。X線分光法は反応機構の解明のための有力なツールの1つとして注目されている。しかしその解釈は実験のみで行うにはまだ情報不足で,理論計算によるサポートが理解を加速するために必須である。本研究課題の目標は金属を含む系へのX線分光に対する新規理論計算手法の確立である。今回の申請で注目している分光法はK殻およびL殻励起のX線吸収スペクトル法(XAS)であり,非経験的分子軌道法および密度汎関数法に基づく計算手法を開発する。 二年度は初年度に執筆中であった内殻励起電子の相対論補正項についてまとめ,論文を出版した。XAS計算手法の開発の開発状況として,K殻XASスペクトル計算手法は,既存のDFTコード”DeMon”にX線スペクトル計算コードを移植した。また金属を含む化合物の研究を行うため,標準物質として,鉄,ニッケル,銅,亜鉛などの薄板のXASスペクトルを高エネルギー物理学研究所KEKの放射光科学研究施設で測定した。これらを用い,合金である数種類のステンレス板の状態評価を行った。 研究論文は7報出版し,学会発表は5件行った。著書は現在1報印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年度は初年度に開発した計算手法を用い,応用研究を行う予定であった。K殻XAS,L殻XAS計算手法両方とも順調に開発を行うことができた。実施計画書に記載した計画通り,研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
第一遷移金属原子を含む系に対し,標準的なスペクトルを測定し,計算との比較を行う。それぞれの金属薄膜を用意し,測定はSPring-8, SAGA-LSのような放射光施設を利用する。得られたスペクトルと計算スペクトルを比較し,計算精度の確認を行うとともに,表面,バルク状態の評価を行う。
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Causes of Carryover |
順調に予算を消化していたが,小額ではあるが1698円の差額分が余ってしまった。小額の文房具などで消費することは可能であるが,公費の無駄遣いに当たると判断し,繰り越させていただくことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費として使用する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Molecular dynamics and first-principles studies of structural change in 1,3,5-triamino-2,4,6-trinitrobenzene (TATB) in crystalline state under high pressure: Comparison of hydrogen bond systems of TATB versus 1,3-diamino-2,4,6-trinitrobenzene (DATB)2016
Author(s)
1.Y. Kohno, K. Mori, R. I. Hiyoshi, O. Takahashi(*), and K. Ueda
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Journal Title
Chem. Phys.
Volume: 472
Pages: 163-172
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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