2015 Fiscal Year Research-status Report
ヘビサイド関数のみを拡充したXFEMの非線形構造解析への適用
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15K04761
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
長嶋 利夫 上智大学, 理工学部, 教授 (10338436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末益 博志 上智大学, 理工学部, 教授 (20134661)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 計算力学 / 拡張有限要素法 / き裂 / 非線形有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元き裂の近傍の変位場を表すために,漸近解基底を用いずに,ヘビサイド関数だけを拡充した補間関数を用いた拡張有限要素法(XFEM)の定式化を示し、そのような方法を用いた三次元XFEM解析プログラム(NLXH3D)を試作した. NLXH3Dを用いて、三次元半楕円表面き裂問題の弾性停留き裂解析を実施し妥当な結果を得た.さらに、半楕円状き裂を有するジュラルミン(A2017-T3)製の試験片の疲労き裂進展解析に適用した. 二次元三角形二次要素に対してヘビサイド関数だけを拡充するXFEMの定式化を示し、そのような方法を用いた二次元XFEM解析プログラム(NLXT2DH)を試作した. 弾塑性解析においてB-bar法を用いて体積ロッキングを回避する方法を開発した.同様な方法を前述したNLXH3Dにも適用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二次元、三次元XFEMにおいては従来、漸近解基底とヘビサイド関数を用いた拡充方法が用いられてきた.実際、研究代表者らがこれまで開発してきた弾性、弾塑性XFEMにおいても、そのような方法を用いてきた.これまでの研究で、要素分割がある程度細かければ、ヘビサイド関数だけを拡充しても、漸近解基底を用いた場合とほぼ同程度な結果が得られることが確認できた.また、通常のFEMでロッキング回避方法として用いられる選択的低減積分法を、提案方法にも導入できることも確認できた. 二次元弾性・弾塑性XFEMコード:NLXT2DH 三次元弾性・弾塑性XFEMコード:NLXH3D の開発、検証が終了した.
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Strategy for Future Research Activity |
開発コードNLXT2DH,NLXH3Dの有効性を実証するために、さまざまな実問題への適用を進める.これまで、漸近解基底とヘビサイド関数を拡充したXFEMを用いて解かれたき裂進展問題を、開発コードで解き直し結果を比較する. 三次元弾塑性解析に関しては、三次元二次要素への拡張も試みる. 二次元、三次元幾何学的非線形問題に対しても、ヘビサイド関数を拡充したXFEMの適用を試みる. 三次元四面体、五面体、六面体要素に対して、き裂前縁が要素内に含まれる場合についてのき裂先端要素の定式化を行う. 現状の開発プログラムの解析結果の可視化処理は、商用プログラム(GLView)を用いている.開発プログラムの実行環境の制約をなくすために、可視化処理を、フリーソフト(Paraview)で実行できるように改良することも今後の課題である.
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