2015 Fiscal Year Research-status Report
容器口から流れる液垂れ解消のための数値シミュレーション
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15K04764
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
横山 真男 明星大学, 情報学部, 准教授 (30633044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢川 元基 東洋大学, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (40011100)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 液だれ / 界面張力 / 表面張力 / 表面性状 / 粒子法 / ハイスピードカメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
実験的分析については、容器口から流れ出る液垂れの現象をハイスピードカメラで撮影して分析を行った。実験容器については、3Dプリンターを用いて種々の容器口形状と表面の凹凸を変えたものを作成した(素材はPLA樹脂(ポリ乳酸)、厚さ4mm)。容器口形状は、断面形状が円、四角、45度傾斜角であり、それぞれについて容器口側面、内面および外面に0.4mmの溝をつけて、それぞれカメラにて容器から流れ落ちる水について計測を行った。 結果として、容器口の形状において鈍い形状(丸および四角)において何も加工を施さない場合は液だれが生じるが、表面に凹凸の溝をつけることで液だれの抑止効果が得られることが分かった。特に外面に溝をつけると形状の有無によらず10回試行中すべてにおいて液だれが起こらなくなり、また側面においてもいくらかの効果があった。これらの結果の詳細については下記学会発表および特許出願にて公開している。 一方、数値計算による分析については、大規模並列計算によるシミュレーションで、上記液だれのメカニズムの解明のための数値計算を行った。手法としては、自由表面を伴う流れの計算に適したメッシュ作成が不要な粒子法(MPS)を使用し、界面の扱いには静電気力や分子間力といった物理的なモデルをナビエ-ストークス式を解く計算に導入した。形状の違いや電気的性質による効果などはまだシミュレーション手法上の課題がいくつかあり結論は出ていないが、下記学会発表にて公開を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験による観察で液だれの容器表面の溝による低減が確認できたが、液だれそもそもの発生に関する詳細の確認がまだできていない。 また、数値計算による確認ができていない。数値計算における容器と水粒子の間に作用するインタフェースのモデルが足りないと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
ハイスピードカメラによる撮影環境が整ったので詳細な撮影を進めていく。 数値計算による液だれ現象の解明をすすめ、実験との比較を行っていく。 並列大規模計算の基礎的なコードはできており、容器と水粒子の間に作用する力の検討とその実装を行っていく。 界面張力のモデルとしては、他の研究ではCSFモデルといったポテンシャル力による手法が多く取り入れられ、本研究でもその手法を取り入れてはいるが結果が十分とは言えない。さらに今後は、レナード=ジョーンズのポテンシャルモデルのように、より分子動力学的なモデルを組み合わせた方法が有効と思われる。このモデルの検証のためには、昨年度行ったハイスピードカメラを用いて詳細に観察した実験結果と比較し、数値計算にフィードバックする予定である。
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Causes of Carryover |
承認が遅れたため、その後の購入手続きと発注に時間がかかり年度内に納品に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度4月に購入。2016年度分と合わせて予算を使用。
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Research Products
(2 results)