2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04783
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岡崎 武生 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80437334)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 新形式理論 / ラングランズ対応 / Siegel 保型形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
GSp(4)のgeneric 既約許容表現のnew-old form理論を完成した. 2007年, Brooks Roberts氏とRalf Schmidt氏により, 既約表現の中心指標がtrivialな場合は, paramodular-level群と呼ばれる群で固定される部分空間のfiltrationを考え, 一番低いlevelの部分空間(newformの空間)が一次元であることが示されていたが, 私は, 彼らの結果を一般の中心指標の場合に拡張し, また更にその一番低いlevelなどが, 2011年にWee Tech Gan氏とShuichiro Takeda氏により解決された局所Langlands対応におけるLanglands parameterと一致することを示した. 中心指標が, 分岐する場合, newformは, paramodular群ではなく, 新たに定義した擬-paramodular群により, 固定される. newformの空間の次元は1であり, 一般のlevelの部分空間(oldformの空間)の次元も与えた. genericとは, Whittaker模型をもつ表現のことであるが, non-genericな表現もGSp(4)においては, 重要である. Saito-Kurokawa 表現とよばれるnon-generic誘導表現があるのだが, これのnewform理論も完成した. 今回, 構成した理論は, Roberts氏, Schmidt氏の議論を徹底的に簡略化し, また, Wee Tech Gan氏とShuichiro Takeda氏がLanglands予想を解決する為に用いたtheta 対応と呼ばれる手法をmixしたものであり, 大幅にsimpleな理論となっていると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細部のナイーブな議論の修正に当初おもっていたより大幅な時間と労力を要した. また, 大幅な生活環境の変化や体調不良なども影響した.
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Strategy for Future Research Activity |
GSp(4)の新形式理論を構築する際に, 様々な展望を得た. 一つは, GSp(4)の表現のAdjoint-L関数と呼ばれるL-関数の局所関数等式である. このL-関数の様々な積分表示が, 1980年代からしられていて, spinor L-関数の局所関数等式も知られているのだが, 未だに, このAdjoint L-関数の関数等式が知られていない. 私は, generic表現に関しては, 新たに積分表示と関数等式を得たようなので, これらの積分表示が定義する解析的なL-関数が, Langlands parameterの定義するL-関数と一致することをできれば確かめたい.これにより, 私の積分表示が標準的であることが意味されると考えるからである. もうひとつは, 2013年に提出されたPei-Yui氏による, 奇数次分裂直交群の新形式予想への取り組みである.これは, Roberts-Schmidtの理論(PGSp(4)はSO(5)と同型)の大きな群への一般化を試みた理論であるが, generic表現が誘導表現のとき, 様々な障害がある.(誘導表現でない場合は構築されている). これに対し, 今回用いた, theta対応の手法でいくつかの場合は解決できるのではないかと考えられるのでこれに取り組みたい. また, GU(2,2) のnewform理論をもちいた, van Geemnen, van Straten予想を解決したことも形にしたい.
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Causes of Carryover |
書籍の納入期限がずれたため
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