2015 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
15K04791
|
|---|
| Research Institution | Chiba Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
伊藤 剛司 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (80339689)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 俊 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (20386618)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 岩澤加群 / 馴分岐拡大 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
虚2次体のmultiple Z_p拡大の馴分岐岩澤加群に対して、その構造の研究を行った。特に、馴分岐岩澤加群に非自明なpseudo-null部分加群が存在するか否かについての問題を考察し、研究分担者（藤井）との共同研究によってこの問題に対する部分的な結果を得ることができた。（その一部分から「円分的Z_p拡大体上の（アーベルという条件が付いていない）馴分岐pro-p拡大のガロア群の構造の研究」に対しての応用についての結果も、わずかではあるが得ることができる。）これらの結果に関しては、（状況によってはもう少し内容を充実させた上で、）研究期間開始前に得られていた結果と合わせて論文にまとめて発表する予定である。この問題についてより深く考察することは、今後（Z_p拡大体上もしくはmultiple Z_p拡大体上の）非アーベルな馴分岐pro-p拡大のガロア群を研究する上で少なからず役に立つであろうと思われるため、平成28年度もこの問題を（虚2次体の場合に限らず、より広い範囲で）考える予定である。
さらに、研究分担者（藤井）は、不分岐岩澤加群に対する「一般Greenberg予想」について、これまでの結果の一般化を試みた。しかしながら、まだ十分な成果を得られるまでには至っていない。なお、こちらの研究は不分岐岩澤加群の方を調べるものであるが、この研究によって得られる成果などは今後の馴分岐岩澤加群の研究を行う際に役立つ可能性がある。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
馴分岐岩澤加群の構造に関する問題に対してある程度の結果は得られたが、満足のいく成果はまだ得られておらず、さらなる考察が必要かと思われる。また、「pseudo-null部分加群の存在の有無」だけでなく、より精密な構造を調べるという課題も残っている。加えて、当初計画していたコンピュータによる具体例の計算も進んでいない。
以上のような理由により、一定の研究成果は得られているものの、当初の計画に比べるとやや遅れていると判断せざるを得ない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
コンピュータによる計算を本格的に開始し、多くの具体例を得ることを目指す。また、馴分岐岩澤加群のpseudo-null部分加群に関する問題に対し、未解決の部分をもう少し詰めていきたい。さらに、平成28年度以降の研究計画のうち「multiple Z_p拡大体上の非アーベルな馴分岐pro-p拡大」のガロア群の構造の研究も始める。
|
| Causes of Carryover |
コンピュータ関連の費用、出張に関する費用、研究用図書の購入数が予定よりも少なくなってしまったため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越された分はコンピュータ関連の消耗品、図書にあてる予定であるが、平成28年度もしくは平成29年度に研究代表者（伊藤）が海外への出張を行うことも考えている。
|
