2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of Cartan decompositions and invariant measures for spherical homogeneous spaces of reductive type
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15K04797
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
笹木 集夢 東海大学, 理学部, 准教授 (60514453)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | カルタン分解 / 簡約型球等質空間 / 制限ルート / 不変測度 / ハイゼンベルグリー群 / 冪零リー群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題最終年度にあたる2018年度は以下の成果を得た. (1)簡約型球等質空間に対するカルタン分解の明示的表示に関する研究成果.(a)既約かつ非対称な球等質空間のうち階数1型(rank-one type)と呼ばれる3つの散在型(G2/SL3, Spin7/G2, SO7/G2)に対して,カルタン分解の明示的公式,および強可視的作用であることの証明を論文にまとめ,投稿して出版が受理された(19ページ,arXiv:1807.11664).本論文は2019年または2020年に出版予定である.(b) 前年度までに研究が完了した簡約型球等質空間に対するカルタン分解の研究成果を,福島幾何学研究集会(2018年6月)や大阪市立大学で開催された国際研究集会(2019年3月)で発表した. (2)冪零リー群における強可視的作用の理論および各軌道と交叉する部分多様体の構成理論.(a)Ali Baklouti教授(Sfax大学,チュニジア)と冪零リー群の等質空間における可視的作用の研究を開始し,その第一歩として複素ハイゼンベルグリー群の複素等質空間に対する可視的作用の理論が解決した.特に,群作用における各軌道と交叉する部分多様体を抽出することに成功した.本結果について,名城大学幾何学研究集会(2019年3月)や2018表現論ワークショップ(2019年3月)で発表した.(b)ハイゼンベルグリー群に続く冪零リー群に対する研究の続く形で,Gelfand pairに対する研究の可能性を九州大学の野村隆昭教授により指摘していただき,研究を開始した. (3)簡約型球等質空間に対するカルタン分解の明示的表示の研究で発見した手法を実球等質空間に対して応用することの考察を開始した.
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