2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on K3 modular forms derived from hypergeometric systems
Project/Area Number |
15K04807
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
志賀 弘典 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (90009605)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | K3 曲面 / 保型関数 / 超幾何微分方程式 / テータ関数 / 虚数乗法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、“特殊 K3 曲面族から超幾何的観点の下で多変数モジュラー函数を導く”こと、さらには、その保型関数の数論への応用を示すこと、付け加えて、その周辺に位置する興味深い特殊現象を追求すること、を研究目的としていた。 これに照らしてみると、 (1)2 次元アーベル多様体のモジュライ空間として現れる 3 次元ジーゲル上半空間とジーゲル・モジュラー群の対を、ある種の楕円型 K3 曲面族のモジュライ空間と、その超越格子に関する直交群の対と見立てて、その保型関数をテータ表示し、この空間に埋め込まれている判別式 5 のヒルベルト・モジュラー空間をパラメータ空間上で明示する結果を得た。(2016 年) (2)竹内喜佐雄によって得られている、 18 種のコンパクト型三角群に関するモジュラー函数は、志村五郎による高次虚数乗法論を具体的に実現する重要な意味を有している。この枠組でヒルベルト第12問題への接近、すなわち高次虚数乗法体の絶対類体の構成、を図るには、モジュラー関数を明示し、さらに志村の正準模型を確定する必要がある。研究代表者は、超幾何微分方程式由来の保型関数をテータ表示することによって、この課題を達成した(2016,17年)。 (3)特に、(2)において判別式 6 の4元数環に対応する三角群の場合は、さまざまな先行研究があるにも関わらず、志村正準模型の同定は成されていなかったが、本研究で明らかにされた(2017 年)。
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[Book] 保型関数2017
Author(s)
志賀弘典
Total Pages
273
Publisher
共立出版
ISBN
978-4-320-11204-9