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2015 Fiscal Year Research-status Report

ホッジ加群の基礎及び応用研究の総仕上げ

Research Project

Project/Area Number 15K04816
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

斉藤 盛彦  京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10186968)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2020-03-31
Keywordsb-関数 / ブリースコーン加群 / ガウス・マニン接続 / ヒルツェブルフ特性類
Outline of Annual Research Achievements

まずb-関数に関係した話題としては、ブドゥール氏やヴァルター氏から正則関数fの有理数冪で生成されるD-加群の族とb-関数の根との関係についての質問を受けたので、それに対する解答を考察した。これはb-関数の根が必ずしもすべて上記のD-加群の族の変化に寄与するわけではないという多少とも以外な結果となったのだが、その副産物として、超曲面孤立特異点のブリースコーン加群の飽和化におけるガウス・マニン接続の留数として得られる行列と超曲面特異点のモノドロミーとの関係についての30年来の未解決の問題の否定的な答えを得る事が出来た。この反例の構成にはかなり精密なガウス・マニン接続の計算が必要となり、30年間できなかったことも納得させられる。また、b-関数の根の重複度に関しては、斉次多項式のb-関数の根の重複度と多項式の定める射影超曲面の孤立特異点のb-関数の根の重複度との間には或る程度の関係がある事などもだんだんと分かってきた。

次にヒルツェブルフ特性類に関しては、数年前の研究で得た超平面配置の場合の公式を更に精密化するために、スペクトラル・ヒルツェブルフ特性類というのを導入して、これがホッジ加群に対するトム・セバスチャニ定理とうまく組み合わされる事などを示した。この副産物として超平面の乗数イデアルに対するトム・セバスチャニ型定理というのも得る事が出来た。

その他には、フロベニウス多様体におけるいわゆる「再構成定理」に対する反例の可能性についての考察を行ったり、ホッジ加群とツイスター加群との間にある幾つかの違いについての研究を行ったりした。最後にホッジ加群の分かり易い入門に関しては、うまく書くのはあまり容易ではなさそうに思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

長年の懸案である、射影超曲面の特異点がすべて重み付き斉次孤立特異点の場合の極位数スペクトル系列のE2退化の証明がまだ完成していない。

Strategy for Future Research Activity

上記の定理の証明をできるだけ早く終わらせてから、その応用について研究する予定である。

Causes of Carryover

今年度は出席するに値する研究集会が殆どなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度以降の研究集会に出席する為に使われる予定である。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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