2021 Fiscal Year Research-status Report
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15K04816
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 研究員 (10186968)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高次デュボワ特異点 / 高次対数標準特異点 / 超平面配置 / 対数微分形式 / マンフォード・カステルヌオボ正則量 / 比較定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず韓国の共同研究者3人とは、ホッジ加群の理論を使うことによって超曲面高次デュボワ特異点の理論を構築し、高次対数標準特異点との同値性を示すなどして、ムスタタやポッパらによって得られた結果の大幅な精密化を行った。例えば彼らは超曲面の場合に高次対数標準特異点は高次デュボワであることは証明していたが、その逆は全く予想もしていなかった。また、被約b-関数の最大根を用いた高次デュボワ複体の性質の記述に関しても彼らの結果を格段に精密化した。
3人の韓国人共同研究者とは更に、複素解析関数の何乗がそのヤコビ・イデアルに入るかというブリアンソン・スコダ指数が被約b-関数の最大根を用いて評価されることをホッジ加群の理論を使って証明した。これは超平面上にある全ての孤立特異点のミリナー数の和を計算機を使って計算する場合にはかなり役に立つものと思われる。孤立特異点の場合には、実はこれは約40年前のヴァルチェンコの結果から簡単に導かれるのであるが、彼も含めてこの40年間誰もこの評価に気がついていなかったのはいささか意外ではあった。
その他には、超平面配置の対数微分形式の複体が有理微分形式の複体と導来圏においていつ同型であるかという謂わゆる比較定理が、マンフォード・カステルヌオボの正則量の評価とそれに付随した高次コホモロジー群の消滅を使うこと等により、バース氏の証明よりも遥かに簡単に証明されることを示した。ここではそれらの複体に対応したD-加群の複体の同型を証明することにより、同型であるための条件も超平面配置の密な縁だけに制限することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホッジ加群の応用に関する研究はかなりうまくいっているのだが、ホッジ加群の基礎を分かり易く説明するのは簡単ではない。
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Strategy for Future Research Activity |
ホッジ加群の基礎に関しては、D-加群の基礎から解説する必要がある。
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Causes of Carryover |
支出が無かったのは、出席できる研究集会が昨年度まったく無かった為である。
今年度の研究集会に出席するために使われる予定である。
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