2015 Fiscal Year Research-status Report
| Project/Area Number |
15K04819
|
|---|
| Research Institution | Hiroshima University |
|---|
Principal Investigator |
石井 亮 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10252420)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | McKay 対応 / 導来圏 / 商特異点 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
２次元商特異点に関する，Special McKay 対応の大域化について，中村郁氏と共同で研究した．２次元商特異点に対して，群の既約表現の中に special と呼ばれるものがあり，それらのうち非自明なものは最小特異点解消の既約例外曲線と対応していることが知られている．G-軌道のヒルベルトスキームを商特異点の特異点解消とみたとき，例外集合の各点に対応するG-軌道のイデアルの中に現れる既約表現の族を，例外集合上の層として記述することができた．これは special McKay 対応をよく記述する．さらに，G-軌道の構造層のsocle を見ると，これは special とは限らない表現であるが，special な表現だけに注目して socle の類似を定義すると，これもまた special McKay 対応を記述することがわかった．そして，最小特異点解消の導来圏を記述する，reconstruction algebra と呼ばれる非可換代数に対応する quiver が Wemyss によって導入されているが，この quiver が上記 socle の類似の記述に密接に関わっており，G-Hilb の中にこの quiver の情報が隠れていることを発見した．
その他，Gorensteinトーリックアフィン四様体のクレパント小特異点解消上の導来圏，およびHirzebruch 曲面上の例外対象などについて計算を行った．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画とはやや違う方向ではあるが，Special McKay 対応の大域化に関して，期待する成果が得られ，さらに予期していなかった発見もすることができた．
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後も special McKay 対応について研究するとともに，Gorensteinトーリックアフィン四様体のクレパント小特異点解消上の導来圏，Hirzebruch 曲面上の例外対象などについて研究を進める．
|
| Causes of Carryover |
日程の都合がつかず出張が予定より少なくなり残額が生じた．
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
６月の京大数理研での研究集会に参加するとともに，スペインおよび北大から研究者を招聘し，研究打ち合わせを行う．また，モスクワの研究集会等に参加し，韓国の研究者とも研究打ち合わせを行う予定である．状況により，ノートパソコンを新しく購入する．
|
