2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04822
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大渕 朗 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (10211111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 二良 神奈川工科大学, 基礎・教育センター, 教授 (90162065)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 代数曲線 / 自己同型群 / フックス群 / reflection group |
Outline of Annual Research Achievements |
第16回代数曲線論シンポジウムを2018年12月14日-16日に神奈川工科大学 アクティブ・ラーニング横浜にて開催した。講演者は外国人二人を含む14人で自己同型群と言うテーマで代数曲線に関する幾何学的研究、有限体上での研究、位相幾何的な側面から見た自己同型群付きでの変形理論への応用の研究など、それぞれの観点から情報交換などを行った。自己同型群の位相幾何的研究は、古くはPoincareの結果などに基づく方法で、自己同型付きの代数曲線が上半平面をフックス群で割る事で得られると言う事に基づく。この考え方は更に曲線族を考える上でも有効であり、この話題に関する講演も幾つか行われた。その際に於いて、問題となるのは、自己同型群の生成元を適切に取る必要があると言う事で、この研究を考察に入れるためにバーンサイド環と言うテーマの講演とその内容に対する議論を行った。 また非特異平面代数曲線の自己同型群の計算方法を線織面上の非特異代数曲線の自己同型に応用する為の理論の確立を標数pへの拡張を目指し、他に射影平面の自己同型群をreflection groupとして扱う事について研究を行った。このreflection groupはガロア点を定義する自己同型と同一の概念なので、ガロア点の研究との親和性が高く以前の結果に多くの貢献のある話題であることが解った。また標数pでは自己同型群の研究に際しては群の指標の理論が使えないため、幾何的なアプローチが有効であり、古い文献にあるMichellの結果などがかなり有効であることも解った。更に複素数体上で、従来のガロア点の考え方をガロア直線として考えると言う話題についても幾つか計算を行っているが、これは方程式を使うのが非常に困難で、先に研究集会で話題になった上半平面をフックス群で割ると言う形の構成が望ましいと言う事が解った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:古典的な結果の拡張である平面代数曲線の自己同型群の分類理論経て、①に関しては既存の結果を殆ど拡張できた。現在は標数pに同様な結果を得ることを目指している。また②の問題はreflection groupの分類が非常に効果的であり、具体例などは非常に良く計算できる様になっている。 ③ワイアシュトラス半群の研究:有理曲面上にある場合で計算不可能な困難な場合を除くとほぼ手法は確立していると言えるので完成期に入ったと言える。現在三次被覆の場合に従来の計算が可能かどうかを調べているが、ほぼ計算は可能であるとの結論になってい ④被覆面と特殊線形系の理論:春井岳と共に結節点を有する場合の研究は最終的な完成を見ていないが、幾つかの平面曲線上での結果を得ているためおおむね順調に進展していると言える ⑤代数曲線符号・暗号の理論:これに関してはゴレイ符号の研究との関連性を基に位数の大きな自己同形を持つ代数曲線(フルヴィッツ曲線など)の研究が有効 であると見なしており、またスタイナー系によるbinary符号を基にした幾つかの符号も構成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
①被覆写像のガロア閉胞、②代数曲線の自己同型群:標数pでの話題と複素数体上で空間曲線の話題を考慮する必要がある。複素数体上での話は定義方程式を使うのでなく上半平面をフックス群で割ると言う形で自己同型群付きの代数曲線を構成するのが有効である。 ③ワイアシュトラス点から決まる半群の研究:3-超楕円な場合への拡張がほぼ完成したので最終的な完成を目指す。 ④被覆面と特殊線形系の理論:最終的な完成を見ていないが、こちらもDolgachev-Iskovskiの理論が有効であると考えられる ⑤代数曲線符号・暗号の理論:binaryフルヴィッツ符号の理論で幾つか進展があり更なる計算結果を整備する必要がある
|
Causes of Carryover |
2019年度12月に代数曲線論シンポジウムを主催する上、8月に高知で行われる代数幾何シンポジウムの旅費負担を行うため、配分額以上の旅費を確保する必要があったから。
|
Research Products
(1 results)