2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04822
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大渕 朗 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (10211111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 二良 神奈川工科大学, 神奈川工科大学, 教授 (90162065)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 代数曲線 / 自己同型 |
Outline of Annual Research Achievements |
代数曲線の自己同型群について平面代数曲線に於いて分類されているtype a,type b,type cに関して、それぞれの分類に従って、対応する代数曲線の方程式を幾つか決定している。
このうちtype cは古典的結果に近いもので、低次の場合はKleinなどの研究を基にして、かなり方程式の特定は可能であるが、古典的結果をよく見ると、その方程式に対応する自己同型群が与えられた群を含むと言う条件になっているため、一般的に扱うためにはtype cの曲線の自己同型群が曲線族の中でどの様な形で関連を持つかを調べる必要があり、これについての部分的結果は得た。具体的にはA5とA6の関連性を基に方程式がどの様な形になるかを、ほぼ見分けられる事が具体例を通してではあるが可能にはなっている。またHesse群とその位数72,36の部分群に関してもある程度方程式の間の関連性についての、同じく具体例を通してであるが、見通せるところまで来ている。またtype aについては、かなり詳細に計算が可能になったが、群の位数が小さいため、一般的な表記にはまだ困難の伴う部分がある。またtype bについてはKlein曲線とFermat曲線の自己同型との関わりが強いので、他のtypeの決定後になるべきで、その面で充分出来ているとは言い難い。
更にガロア直線の問題に関しても、自己同型群との関連で幾つか計算を行っているが、現状では位相幾何的手法が有効であると言う判断になっている。しかしこの場合の問題点は代数曲線の構成が位相幾何的になるので、方程式の様な代数的な情報を得るのがなかなか困難であり、現状では種数4の計算が相当数出来ているだけの状況であって、最終的な完成には未だ至っていないと言うのが現状である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともと行う事の多い問題であるので、全て完成するのは不可能であり、部分的な結果を集積して行く必要がある。その点から考えるとtype a,type cに関して幾つかの結果を得ているのは順調であると判断する理由になっている。更にガロア直線の問題も種数4だけとは言え相当数の例の計算が出来ており、傾向についてはかなり把握できているので順調に進んでいると判断している
|
Strategy for Future Research Activity |
自己同型群のに対応した方程式の決定問題で、type cはの曲線の自己同型群が曲線族の中でどの様な形で関連を持つかを明解に規定するのが最もあり得る方針かと考えている。この中で五次交代群のA5とアフィンへの被覆がバレンチナ群になるA6との関連については既に方程式との関係でかなり決定できているので、問題とするべきHesse群とその位数72および36の部分群と方程式の関係である。特に高い次数での方程式の関係を導出する様に結果を書く必要があるが、この辺は少し微妙な場合が存在して、幾つか決定すべき事項がある。またtype aについては巡回群の場合を考慮しないといけないが、この場合は通常は分類が困難な部分なので、現象に対する良い表現方法を探す必要があり、この部分の書き方に若干苦慮しているところである。一般的な計算はかなり詳細に出来ているが、纏め方に問題がまだある。
更にガロア直線に関しては種数4については、計算がかなり進行しているので、ここも現象に対する良い表現方法を探す必要があり、同じくこの部分の書き方に若干苦慮しているところである。種数4以外の空間曲線を扱う場合は、何を考えるべきであるか問題があるが、これは将来的な問題で、今回の申請の範囲を超えている。
|
Causes of Carryover |
研究は一部完成していないところがあり、それを遂行するため、最終的な研究遂行のため一年程度の日数を必要としたためである。未使用額は主に資料収集のために充てられる事になる。
|