2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K04837
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
稲葉 尚志 千葉大学, 大学院理学研究科, 教授 (40125901)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レーブ流 / 接触構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載した平成28年度の研究実施計画に沿って研究を進め、更に、これまでに得られた研究結果を国際会議において発表した。その詳細は以下の通りである。 まず、研究の具体的な実施内容としては、奇数次元(2n+1次元)実ベクトル空間上の標準接触構造に対して、それを与える接触形式をサポートがコンパクトな非零関数倍することによって、対応するレーブ流を変化させ、コンパクトな不変集合であって、半分以下の次元のトーラスではなく、周期軌道の個数のできる限り少ないものを作り出すことを、前年度に引き続いて行なった。余次元2の球面上には3次元球面上のホップ流を一般化した一般ホップ流が定義できるが、これは我々の状況におけるレーブ流の不変集合として実現できることがわかった。一般ホップ流の定義式の係数を調節することにより、この不変集合は周期軌道をn個しか含まないようにはできる。しかし、最終目標である周期軌道なしの実現には届いておらず、現在努力中である。球面の直積やそれらに厚みをつけたものも不変集合として実現はできるが、今のところ周期軌道無限個の実現しかできていない状況である。これらについても改良を模索中である。 結果の発表に関しては、平成28年7月にポーランドのベンドレボで開催された国際会議(第7回ヨーロッパ国際会議のサテライト会議)FOLIATIONS2016において、その時点までに得られている成果について講演を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポーランドで開催された国際会議はアメリカ、ブラジル、日本、ヨーロッパ諸国等からの多くの参加者があり、そのような会議で現在までに得られている成果を発表できたことは非常に有意義であった。しかし、発表した成果は本研究の最終研究目的にまでは到達していない時点のものであり、研究実施状況としては進展の度合いはやや遅れ気味であるというのが自己評価である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は本研究の最終年度になるので、出来る限り最終目標に至るように努力する。関連する研究集会に出席することや、関連研究者との研究の情報交換を密にすることにより、少なくとも、半分次元トーラスではない不変集合であって周期軌道を一切含まないものを実現し、レーブ流の柔軟性に関して確固たる成果を上げたい。更に、間に合えば、成果を論文にまとめて出版の目途をつけたい。
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