2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04838
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中居 功 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (90207704)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | WEB幾何学 / 曲率形式 / 常微分方程式 / 葉層 |
Outline of Annual Research Achievements |
平面3-WEBの曲率の計算の簡略化を行い、それを元にして、平面 d-WEBの曲率の計算結果の表示を得た。ここで、平面d-WEBの曲率とは、 ロシアースクールの意味で用いられるもので、d-WEBを形作る d 個の葉層の中から3つの葉層を取り出し、それらのなす部分3-WEBの曲率形式をBlasheke の定義に従って求め、それら全ての曲率形式を全ての部分3-WEBに関して平均化したものである。従って、平面3-WEBの曲率の計算が基本となっていることは言うまでもない。テクニカルには、平均化したものを意味のある形で表現することが、最重要である。本研究により、まずはじめに、研究代表者により得られていた、平面3-WEBの曲率のある種の判別式により定義される特異点集合を基本に据えた対称式による表示を精査し、それを元にしたd-WEBの曲率形式の一般化の形を提案する試みに成功した。これを仮の目標にしながら、これらの計算に特化した、対称式の微分に関する巧妙な諸公式の研究のシステマティックな展開により、大きく研究が進展し、計算の見通しがきく様になった。これにより、この問題について一つの解答をえることができた。現在、得られている公式は、興味深い性質を備えていることがわかっている。この結果について、フランスのボルドー大学のアラン・エノー教授と意見交換をし、発表に適した表現方法、同教授の提案する手法との関連をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平面3-WEBの曲率形式の幾何的な形での表現をえるためには、その構造に即した適切な枠を用いて計算を遂行しなければならない。また、特異点を持つWEB構造に応用するためには、それを構成する3つの葉層の順序によらない形で、計算結果を得なければならないため、大掛かりな対称式の計算の遂行が必要であり、それが今日まで、この問題が阻んできた理由である。研究成果の発表に関しては、問題点が非常にテクニカルであり、一般への理解を求めることが困難と思われ、そのやり方に腐心してきたため、当初の計画よりも遅れている。今年度の3月, 近代的なWEB幾何学の発展に大きく寄与のあった、アラン・エノー氏とこの問題について話し合う機会を持つことができ、そこでの考えを元に、いくつかの発表の最終準備に取り掛かったところである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果の速やかな公表に向けて準備を急ぐ。
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