2017 Fiscal Year Research-status Report
双曲多様体とその変形空間へのローレンツ幾何的アプローチ
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15K04841
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
糸 健太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (00324400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 双曲幾何 / 擬リーマン幾何 / ローレンツ幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
双曲幾何を定曲率擬リーマン多様体の枠組みで研究すべく,その土台作りに励んだ.例えば2次元双曲空間の等長変換群SL(2,R)は3次元反ドジッター空間とみなせる.メスはこの視点から,サーストンによる2次元双曲空間の地震変形定理が説明できることを示し,その後の研究の発展につながった.3次元反ドジッター空間の中の空間的曲面と2次元双曲空間の自己同相写像の関係は現在盛んに研究されている話題である.現在の私の研究の目標は,このSL(2,R)の幾何をSL(2,C)に拡張することである.SL(2,C)はSL(2,R)の複素化であると同時に,実(3,3)型擬リーマン多様体であり,3次元双曲空間の等長変換群でもあり,様々な視点から研究されるべき対象である.とりわけ,地震変形の一般化である複素地震変形をSL(2,C)の幾何から理解することを目指している.その研究の一環として,反ドジッター空間の研究における第一人者であるBonsante氏による連続講義を,宮地秀樹氏(大阪大学)と共同で2018年1月に大阪大学で開催した.また,研究集会「リーマン面・不連続群論」を志賀啓成氏(東京工業大学)と宮地秀樹氏(大阪大学)と共同で2018年2月に名古屋大学で開催した.また,等質空間や対称空間の手法を身につけるべく,2017年12月には田丸博士氏(広島大学)による集中講義のホストを務めた.2017年6月には東工大における集中講義および談話会で,SL(2,R)の幾何の基礎およびその拡張としての SL(2,C)の幾何に関する展望を述べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
思ったより幅広い分野における様々な知識が必要であることに気づかされる日々である.しかし,今年度までにだいぶ基礎固めが出来たので,次年度は上述の研究に専念出来るものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
SL(2,C)の幾何について次年度中に研究集会で発表出来る形にしたいと考えている.例年同様,研究集会「リーマン面・不連続群論」の開催を予定している.
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Causes of Carryover |
差引額は,年度中に無理して使うことなく,繰り越して次年度に有効に使うことにした.主に書籍と出張旅費に使用する計画である.
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Research Products
(2 results)