2015 Fiscal Year Research-status Report
へガードフレアー理論を用いた結び目と写像類群の研究
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15K04865
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松田 浩 山形大学, 理学部, 准教授 (70372703)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 接触ホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
余球面束を使ったLagrange交叉のフレアー理論を展開することにより、余次元2の結び目に対する不変量、結び目接触ホモロジー群、を定義することがEliashberg氏、Hofer氏らにより提唱され、Ekholm氏、Etnyre氏、Ng氏、Sullivan氏により3次元球面内の結び目に対して実行されていた。Ng氏はさらに3次元球面内の結び目に対する結び目接触ホモロジー群を組み合わせ的に定義することに成功していた。 Ng氏による組み合わせ的な定義を拡張し、3次元球面内のハンドル体結び目、welded(溶接)結び目、仮想結び目、4次元球面内の2次元結び目に対しても結び目接触ホモロジー群の0次元部分を組み合わせ的に定義することができた。3次元球面内の結び目に対しては、結び目接触ホモロジー群を使って区別できないものはまだ見つかっていないので完全不変量ではないかと期待されている。しかし今回定義した4次元球面内の2次元結び目に対する結び目接触ホモロジー群は、スパン3葉結び目と2ツイストスパン3葉結び目を区別しないことが分かった。アレキサンダー多項式などでは区別できない仮想結び目の対としてKishino対と呼ばれるものが知られている。仮想結び目に対する結び目接触ホモロジー群はKishino対を区別することが分かった。種数2の自明なハンドル体結び目と区別することが難しい例として、鈴木のシータグラフと呼ばれるものに対応するハンドル体結び目が知られている。ハンドル体結び目に対する結び目接触ホモロジー群は、種数2の自明なハンドル体結び目と鈴木のシータグラフに対応するハンドル体結び目とを区別することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結び目接触ホモロジー群の0次元部分を3次元球面内のハンドル体結び目、溶接結び目、仮想結び目、4次元球面内の2次元結び目に対して定義することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
結び目接触ホモロジー群の1次元部分、2次元部分についても組み合わせ的に定義することを考えている。さらに結び目接触ホモロジー群の定義に結び目補空間の基本群の情報を取り入れて定義することにより、より詳しい情報を取り出すことを計画している。
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Causes of Carryover |
タブレット端末を購入することにより、計算機を購入するよりも結果として経費を節減することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度に得られた結果を発表するため研究発表旅費のために使用する。
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Research Products
(1 results)