2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04867
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
福井 敏純 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90218892)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特異点論 / ホイットニーの傘 |
Outline of Annual Research Achievements |
長谷川氏が滞在しているブラジルのサンカルロスにあるサンパウロ大学へ出張し研究を行う予定であったが、2015年の夏は先方の都合が悪くなり研究計画記載のブラジル訪問は残念ながら断念した。代わりに秋に長谷川大氏を来日させて研究を行った。テーマはホイットニーの傘に関するコーエンドリンクの定理についてであり、いくつか進展があった。コーエンドリンクの定理とは、曲面のガウス曲率を射影の輪郭と法曲率の積で表す定理で、特異点がある場合にも一般化することが期待できる。具体的には、得られていた定式化がパラメーターに依存した形であったが、考察の結果、考えている輪郭の原像の弧長変数を用いた幾何学的な定式化に成功し、得られている公式に幾何学的な意味付けを与えることが出来た。論文原稿は修正して投稿する予定である。その他には、尖辺や、燕の尾を含むクラスの特異点を幾何学的に解析する計算を行っている。計算は現在のところかなり複雑であり、整理して発表するにはもう少し時間が必要と思われる。関連することとしては「曲線と曲面の基礎・基本」牧野書店を6月に出版した。この本の一部には福井が特異点論の立場から曲面論を研究してきたことの成果が一部含まれている。特に漸近線の特異点や曲率線の特異点の解析法は特異曲面の類似の問題の攻略法の指針となると考えられ、重要と考えている。他には、半ユークリッド空間の曲線の考察をまとめたもの (T. Fukui and D. Pei, Curvature for curves in semi-Euclidean spaces) がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホイットニーの傘についてコーエンドリンク型の定理をまとめることが出来、また尖辺等の特異曲面の解析も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
特異点論の立場からの特異曲面の研究は、豊穣な領域で今後も現在の方針で、研究が続けられると考えられる。しばしば計算量が膨大で、混乱をきたすが、大方針は間違っていないと判断している。
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Causes of Carryover |
現在使用している研究用ノートパソコンが、だいぶ不安定になってきたので、更新したかったが、今年度配分額では賄えそうもなく、今年度配分額の若干を翌年度に送り、翌年度配分額と合算して購入したほうが良いと判断したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画に大きな変更はないが翌年度に繰り越した分については、現在使用している研究用ノートパソコンが、だいぶ不安定になってきたので、新規のノートパソコンに更新する費用の一部に当てたいと考えている。
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