2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K04869
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
斎藤 敏夫 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90397670)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 3次元多様体 / 無限複体 / 結び目 / タングル / トンネル数 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.3次元球体に適切に埋め込まれた互いに交わらないn本の弧をタングルという。この概念を一般化して,種数gのハンドル体に適切に埋め込まれた互いに交わらないn本の弧を一般タングル,あるいは(g,n)-タングルとよぶ。研究代表者によって定義された「タングルのトンネル数」の概念を(g,n)-タングルに拡張し,結び目Kのトンネル数と一般タングル分解により得られる一般タングルのトンネル数に関する基本公式を得た。これは研究代表者による先行研究(J. Math. Soc. Japan 66, 1303-1313)の一般化に相当するもので,実に自然な拡張となっている。
2.上述の基本不等式における等号成立の可否についての研究を行うことにより,研究代表者による先行研究(Math. Proc. Cambridge Philos. Soc. 165, 541-548)の結果を,一般タングル分解の場合に拡張した結果を得ることに成功した。すなわち,任意の自然数g,2以上の整数n,非負整数t_1,t_2に対して,次の等式を満たす,結び目Kとその(g,n)-タングル分解T_1∪T_2が存在する:tnl(T_1)=t_1,tnl(T_2)=t_2,tnl(K)=tnl(T_1)+tnl(T_2)+g+2n-1。このことにより,複雑な構造をもった一般タングルの和により得られる結び目のトンネル数はまったく減衰しないことを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で挙げたものを研究論文として執筆中である。また,当該研究計画として掲げた「分岐曲面に対する複雑度の導入」へ向けた研究も進展が期待できることから,本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には研究計画に沿って当該研究を推進する。特に,3次元多様体の分岐曲面に対する理解をさらに深めるため,前年度に引き続き,セミナーや勉強会の開催,当該分野の研究者への訪問を行う。
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Causes of Carryover |
新型のタブレット端末を購入予定のため(平成31年4月購入済)
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Research Products
(5 results)