2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04871
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
五味 清紀 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (00543109)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | K理論 / 位相的絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
17種類の2次元結晶群の点群の自然な作用についての2次元トーラスの同変(ねじれ)K理論の計算を, 研究協力者と共同で行った. 数学的な結果は, 当該K理論の群構造についてすでに別のK群の計算を通して知られていた結果を再現するとともに, これまで計算されていなかったねじれK理論を計算し, K理論の表現環上の加群構造まで決定したことである. また, 物理的な結果としては, バルク・境界対応を通じて, 3次元位相的結晶絶縁体・超伝導体の分類を得たという意義がある. この結果, 3次元位相的結晶絶縁体として, 時間反転対称性および粒子空孔対称性がないにもかかわらず符号で分類されるものを, すべて発見することができた.
この計算においては, 同変K理論のねじれとしては, 群コサイクルによって実現できるもの(のいくつか)を考えていた. しかし一般論からは, それ以外のねじれもありえる. そのため, 2次元結晶群の点群が自然に作用する2次元トーラスの同変コホモロジーを3次まですべて計算し, 可能なねじれを特定した. 結果として, 上記の同変ねじれK理論の計算は, 群コサイクルによって実現できるすべてのねじれを尽くしたことがわかった.
また, AIIクラスの位相的量子系の分類への応用を目的とし, `四元数'(`シンプレクティック')ベクトル束のFKMM不変量について, 研究協力者と共同で詳しい解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を研究協力者と共同で行うことになったため, 当初予定していた研究の一部を前倒しで行うことになっているが, いずれも論文執筆に至る研究成果が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
様々な対称性を持つK理論としてのFreed-MooreのK理論の性質として期待されているものを, 数学的に厳密にすることが目下優先されると考えられる.
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Causes of Carryover |
旅費等が想定よりも安価に済んだため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度請求額と合わせて旅費等に充当する.
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