2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K04879
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鎌田 直子 名古屋市立大学, その他の研究科, 教授 (60419687)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 結び目 / 仮想結び目 / 不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に拡張結び目である仮想結び目とtwisted linkに関して不変量とそれらの分類手法について研究をおこなった。仮想結び目は古典的結び目の拡張であり、厚みのある有向閉曲面内の結び目の安定同値類と対応している。一方、twisted linkは厚みのある(有向とは限らない)閉曲面内の結び目の安定同値類と対応している。ダブルカバーはtwisted linkの集合から仮想結び目の集合への写像である。不変量であるtwisted knot群やtwisted knotのカンドルはtwisted linkのダブルカバーの像の仮想結び目群やカンドルと同一視できる。この手法を応用してtwisted linkの新しい不変量(twisted JKSS不変量)を導入して、それを計算するコンピュータプログラムを作成した。それは入力したtwisted linkのダブルカバーを生成し、twisted JKSS不変量を計算するプログラムである。あるtwisted linkのクラスは多変数多項式不変量では分類が不可能であったが、そのプログラムを利用してtwisted JKSS不変量を計算して、 それらを分類できることがわかった。これらの結果を論文にまとめた。 仮想結び目の特徴的なクラスにチェッカボード彩色可能な仮想結び目がある。古典的結び目はチェッカボード彩色可能であり、古典的結び目の様々な不変量はその性質を利用して定義される。ダブルカバーの手法を利用して仮想結び目からチェッカーボード彩色可能な仮想結び目への変換手法を定義し、そこから導かれる不変量である絡み目数はKauffmanによって定義された不変量であるodd writheと同値であることを示した。この結果は、国際会議で発表し、論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
拡張結び目の一種であるtwisted knotの新しい不変量であるtwisted JKSS不変量を導入した。さらにそれを計算するコンピュータプログラムを作成した。また、そのプログラムを利用してあるクラスのtwisted knotの不変量を計算することによってその不変量が多変数多項式不変量より強いことを示した。またtwisted knotのダブルカバーの手法を利用して仮想結び目をチェッカーボード彩色可能な仮想結び目に変換する手法を発見した。この手法は仮想結び目の分類への活用が期待出来る。拡張doodleについても幾何学的な解釈などを含めて連携研究者と研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き拡張結び目の不変量の研究や不変量以外の分類方法について研究を行う。平成27年度に導入した新しい不変量およびそれを計算するプログラムを利用するなどして、様々な仮想結び目やtwisted knotの不変量を計算し比較して不変量の性質や他の不変量の関係を考察する。また、ダブルカバーの手法などを応用、発展させてさらなる仮想結び目やtwisted knotの新しい分類手法を探る。これらの手法をその他の拡張結び目の研究に応用する。
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Causes of Carryover |
出張などの航空機のチケット代が予定価格と異なっていたため差額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究集会,研究打ち合わせの旅費に使用する予定である.
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