2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04882
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江田 勝哉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90015826)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 基本群 / 野性的空間 / 1次元 / 2次元 / singular homology / cech homology / grope group |
Outline of Annual Research Achievements |
Singular homology of one-dimensional Peano continua, Fund. Math., 23 (2016), 99-115. の Lemma の証明を改良した(主結果は以前報告済み)。 普通の有限語の場合、群のアーベル化の際(1)「trivial となるための既約語の形」またアーベル化の際「n-divisible であるための既約語の形」は自然に決まる。一方、無限語の場合もこの自然な形であるかということが問題となる。(1) の場合はこの論文で示したように、成立するが、その証明は意外に難しい。その困難さの関係か、(2) については証明できていない。そのため、当初の証明の筋と異なる方法が上記の Lemma の改良に関係している。(2) については、今後の計画で触れる。この結果を含めた1次元空間の結果を11月25日-30日にZhangzhou で行われた 1st pan pacific international conference on Topology and its application で講演した。 この論文の主定理の証明の際に開発した方法が H. Fischer の提唱していた群の性質を結びつき、Cotorsion-free groups from a topological viewpoint という preprint につながっている。この論文は、改定版を投稿した(H. Fischer との共著である)。 一次元の対象として連結グラフがあるが、この ends を付け加えた位相空間は、局所有限グラフでは 1次元ペアノ空間となる。そのため、この自己同型写像を研究し、その core と生成系に関して研究した。これは、小山晃、佐藤泰彦との共同研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
このプロジェクトでの野性的空間の研究は、多様体など局所的によい性質の空間の自由群を基礎にした有限生成群の研究との関係で興味を持たれている。もともと、極限空間として野性的空間が現れることがきっかけであるが、自由群に対応する有限語を無限語、連続語を使って行うというのが本研究代表者の考え方である。この筋の研究が進むためには、実績概要で述べた(2)の部分を解決することが望ましい。しかし、現状ではうまくいっていない。一方、2次元の空間への利用は O.Bogopolski-A.Zastrow により部分的には進んでいる面があり、その方法を融合する方向が開けてきている。 Cortorsion-free group の非可換に関しては、W.Herfort-W.Hojka により Cotorsion group の非可換化が別な方面からなされたのでこれとの関係をさぐることにより研究の進む可能性が開かれた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の方向の他、Grope group に関しては、Minimal grope 以外の場合に拡張するための2つの Lemma が特定できているので、これについて研究する。これは 、最近の R. Daverman-S. Gu による 2-sphere の 3-sphere への埋め込みの complexity の研究とのつながりがわかっており、研究の大きな動機づけを得た。 また、実績概要で述べた、局所有限連結グラフの ends 自身は 0-次元 compact metric space であるため、すでに研究代表者の得ている結果から、ends の同相性から ends を付け加えた空間のホモトピー同値性が導かれる可能性がある。このとき、基本群の同型写像ともとのグラフの性質の反映はまたひとつの研究対象となりうる。 進渉状況でのべた、non-commutative cotorsion group と non-commutative cotorsionfree group の関係は全く未知のもので、問題設定の整理から始める。 その他すでにある程度 preprint ができていることを含め、これらの研究をすすめる。
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Causes of Carryover |
旅費の金額が計画時の計算と異なったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度の旅費にくりこみ計画する。
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Research Products
(2 results)