2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K04882
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江田 勝哉 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90015826)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Peano continua / one dimension / zero dimension / locally finite / graph / Coxeter group |
Outline of Annual Research Achievements |
1次元 Peano continuum X に対して、その wild part X^w とは、点 x で空間 X が semi-locally simply-connected でないものの全体である。 1次元 Peano continua X,Y について、X^w および Y^w が0次元であるとする。このとき X^w と Y^w が homeomorphic であることと X と Y が homotopic であることは同値である。また、ここで0次元の仮定を落とすことはできない。とくにMenger curve, Sierpinski carpet などに円周を付けたものが反例となる。 この応用としてグラフ理論の結果を得た。Γを locally finite connected graph とし、Γ^* で Γに end を付けた空間とする。この空間の基本群、ホモロジー群は R. Diestel と P. Spruessel による研究がある。Γ^* の homotopy type の分類は (Γ^*)^w の homeomorphism type の分類と等しい。一方、 (Γ^*)^w は0次元 Peano continuum である。佐藤尚倫(早稲田大学大学院生)との共同研究で、任意の0次元 Peano continuum に対して (Γ^*)^w がその空間と homeomorphic となる locally finite connectec graph が存在することを示した。この結果 Γ^* の homotopy type の分類は可算ブール代数の分類に対応する。 homogeneously colored connected graph Γに対して、local reflection から生成される頂点集合の symmeric group の部分群の Cayley graph とΓ との関係についての結果を得た。また保坂氏(静岡大学)との共同研究で、この群が、color に関して Coxeter system となる必要十分条件をえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1次元 Peano continua に対して基本的な事柄はほぼ解決されてきているなか、その応用を考えるとさらに細かい研究が必要になる。今回は、そのひとつが非常に進んだ。グラフは1次元的対象であるが、そのままでは野性的空間となる要素がない。しかし、その end を付け加えた空間を考えると野性的空間が現れるので今回の研究となり、グラフ理論的なものからPeano continua の研究としてさらに深いところにすすんだ。今年度さらにグラフ理論での新しい研究が進みreflection group のグラフ理論的研究に発展した。これは現在進んでいる状態で Reflection group の基礎的研究となる見込みでこの方向はつづけるつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに昨年度の実績報告書に述べたように、いくつかの研究の方向があるが、とくにその最初の無限語、連続語に関する基本的な問題は手がついていない。しかし、無限語の応用は小山氏(早稲田大学)との共同研究によってなされており、さらに詳しい性質の解明が必要となることが予想される。無限語、連続語の基礎研究はなかなか進展することは困難ではあるが、基礎的であるので、少しの進展でも結果としては大きなものとなる可能性が高い。無限語は1次元空間に限らず応用があるので、こちらも進めていく。
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Causes of Carryover |
16年度は当研究代表者の定年退職の年度にあたり、種々の雑用があり、研究出張を控えたせいで助成金の使用額が計画より低くなった。本年度は研究に専念できる状況であること、また大学からの研究費がないこともあり本助成金により研究を進める。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
毎週2度早稲田大学での小山研究室のセミナー出席、薄葉研究室のセミナー出席。静岡大学へは研究連絡のため随時(1か月2,3回)出張する。その他、トポロジー、集合論の集会に出席する。また新たな研究方向であるCoxeter 群に関しては静岡大学(保坂氏)への出張が増える見通しである。 とくに11月の13日-17日に開催される The 2nd Pan Pacific International Conference on Topology and Applications (South Korea) に出席し講演を行う予定である。
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Research Products
(1 results)