2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K04882
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江田 勝哉 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (90015826)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 基本群 / Hawaiian Earring / wild space / 非可算非可換群 / reflection group / locally finite graph |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の homogeneous colored locally finite graph とその automorphism group に関する研究はすでによく研究されている Coxeter system との関係がある。保坂哲也(静岡大学)はcocompact, discrete に作用する reflection group が coxeter 群であることを証明した(2006年)。この証明では、空間への作用をそのまま使った証明であったが、Cayley graph への作用とみることにより簡明な証明を与えた。また local reflection が global reflection に拡張できることと graph が Cayley graph となることが同値であることを証明した。 また15年ほど前からの研究で、separable metric space X の可算稠密な部分集合 D の点に circle をサイズが0に近づくように張り付けてできる空間 Earring space E(X,D) の基本群の研究を行った。とくに X が locally simply connected で simply connected な場合、この群は Hawaiian earring group の subgroup となる。なおこの結果を補完する結果として、local simple connectivity の必要性を証明した。Conner-Eda (2005)の construction により E(X,D) の基本群から空間 X が再構成される。多様体などの場合、稠密な部分集合 D のとりかたに依存しないので、この構成による群は空間と1-1に対応する。空間の次元など空間の性質が、群の性質とつながる方法をConner-Eda (2005)において提起されているものとは異なった方法で空間の性質を使い、非可算非可換群を研究することを提起した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の1次元 Peano continua のwild part が空でなく 0-dimensional となる場合、その homotopy type が、wild part の位相同型性と同値であるという結果により、この方向の研究は終わり、以前から興味をもっていた、空間の稠密な部分集合のすべての点に circle をつけた空間の基本群の研究にすすんだが、simply-connected 場合も locally simply-connected であることが本質的であることがわかったので、この方向をさらに詳しく研究すべきことがわかってきた。また、この construction E(X,D) の基本群が Hawaiian earring group の部分群となるので、これをてがかりに Hawaiian earring group の部分群を調べるという方向も考えられる。 Cayley graphを使った分析により reflection group が Coxeter 群となることの証明が極めて単純化し、ものの本質が見えるようになったが、この方向は新しい結果を生む方向ではなく、 homogeneously colored graph の分析を進めるべきである。 一方、当初の計画のなかで、本質的な部分は無限語、あるいは連続語にかんする発展であるが、この部分は十分ではない。原理的な部分であるので簡単に発展す る部分ではないが、原理的な部分の解明は重要である。特に、無限語からなる群を可換化した場合の n-divisibility はとても大事な性質であるが、このことについては進展していないが、この方向がもう少し進むことが望ましい。
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Strategy for Future Research Activity |
separable metric space X の可算稠密な部分集合 D の点に円周を張り付けてできる空間 Earring space E(X,D) の基本群について X が locally simply connected であるが simply connected でない場合についても、Conner-Eda (2005)の construction により E(X,D) の基本群から空間 X が再構成されるであろうという予想がある。これを証明することを第一の目標にする。この空間の基本群は、Hawaiian earring group の部分群と X の基本群の自由積に似て非なるものでこの研究は、すでにある融合自由積、あるいは Higman-Neumann-Neumann extension とも異なる construction であるので、さらに新しい研究を必要とする。すでに研究の進渉状況でも述べた無限語からなる群を可換化した場合の n-divisibility の問題とともにこの方向の研究を進める。また2018年5月 UtahのMoab で開かれた集会で、Wild algebraic Topology に強い興味をもち、新しい結果をもたらしている研究者が増えている。野性的空間の cut point と基本群の性質はすでに20年以上前から始めていたが、当時は興味をもつ研究者が多くなかったこともあり、論文にして発表することをしていなかった。これらについても、論文にまとめる作業を始める。進渉状況の最後に述べた問題の答えが肯定的であれば、1次元空間の部分空間の特異ホモロジー群が pure subgroup となることがいえる。この問題の決着をつけたることも一つの目標である。
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Research Products
(1 results)