2018 Fiscal Year Annual Research Report
有界解析関数の研究とその解析関数空間上の作用素論への応用
Project/Area Number |
15K04895
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉池 敬司 新潟大学, 自然科学系, フェロー
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Project Period (FY) |
2015 – 2018
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Keywords | 有界解析関数空間 / 2変数Hardy空間 / 解析関数空間 / 不変部分空間 / 不変部分空間のランク / Toeplitz作用素 / ディスク環 / 荷重合成作用素 |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] 2変数Hardy空間に関して、不変部分空間Mの構造の研究について次の結果を得た。 1) 有限Rudin型不変部分空間Mの直交補空間をNとする。Nの上部の空間をQとする。このときQのランクを決定し、それはNのランクより小さいことを証明した。その上、真に小さくなるようなMの存在を示した。 2) 不変部分空間がスプリティングであることの定義を与え、それはヒルベルト・シュミットであることを証明した。その中にYangの条件を満たさないものが存在することを示した。 3) Mがz-wを含むとき、Mのfringe作用素がfredholm作用素になるときの特徴付けをし、そのときの指数が-1であることを示した。 4) Mの直交補空間をNとし、内部函数θに対してθMの直交補空間をN_θとする。N_θのランクはNのランクより大きくその差は2以下であることを示した。その上で全てのθに対して、ランクが変わらないとき、また全てのθに対して、ランクが変わるときのMをそれぞれ決定した。 [2] 荷重合成作用素に関しては、次の結果を得た。 1) ディスク環はBergman空間の荷重合成作用素の像の可算個の合併集合の中には含まれないことを示した。 2) QA空間上の、荷重合成作用素のパス連結成分の位相構造は、ディスク環よりH^∞空間上の荷重合成作用素のパス連結成分の位相構造に近いことを示した。 3) 有界調和関数空間上の荷重合成作用素のパス連結成分の位相構造を決定した。 [3] 1) 2変数Hardy空間において、ホモジイニアス型の有界関数をシンボルの持つToeplitz作用素の核が不変部分空間となるときがあり、またそうでないときもあるが、どのような関係があるのかをY. Chan氏及びY. Lee氏との共同研究で解明した。 2) 1変数のHardy空間において、コーエン・ガラルドは作用素の不変部分空間問題に関連して3つの問題を提出した。その内の2つに解答を与えた。
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Research Products
(29 results)