2017 Fiscal Year Research-status Report
リーマン面のモジュールと再生核の複素多変数的変動についての研究
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15K04914
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
濱野 佐知子 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (10469588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 雅和 広島大学, 工学研究科, 名誉教授 (70025469)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 解析学 / 複素解析 / 多変数関数論 / 擬凸領域 / 多重劣調和関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
有限種数の開リーマン面を同じ種数の閉リーマン面への等角的埋め込みを考え、位相的な型を指定し、然るべき同値関係を入れて得られる各同値類を、与えた開リーマン面のclosingと呼ぶことにする。固定した標識付き開リーマン面のclosings全体が誘導する周期行列の各対角要素は上半平面上の閉円板であることが示されている。本年度は、複素パラメータを導入し、種数有限な開リーマン面の正則族が擬凸領域である場合に、閉円板の族の剛性について研究した。具体的な研究の成果は次の通りである。 1. 種数1の開リーマン面の正則族が擬凸である場合に、開リーマン面の双曲的スパンの剛性について得られた研究成果(論文:S.Hamano-M.Shiba-H.Yamaguchi, Kyoto Journal of Math, 2017)の海外への情報発信に努め、韓国、フランス、ロシアでの国際研究集会およびセミナーにて研究発表を行った。 2. 種数2以上の有限種数開リーマン面が滑らかに変動する場合について、ある流体力学的微分が誘導するモジュラスの動きを2階変分で明記することに成功した。また、その応用として、滑らかな境界をもつ正則族が擬凸領域である場合に、開リーマン面のclosings全体が誘導する周期行列の各対角要素からなる閉円板の族は、それらの直径が底空間の劣調和関数になることを証明した。これらの複素多変数的性質について得られた研究成果は、随時国内の研究集会等で情報発信に努めた。 3. 種数1のあるクラスに属する開リーマン面の族の同時一意化について考察中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は得られた研究成果について5件の招待講演を行い、海外での研究集会や研究交流にて積極的に情報発信することに努めた。また、種数2以上の有限種数開リーマン面の変動について、新しい成果が得られつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
種数2以上の有限種数開リーマン面の変動について得られた成果を学術雑誌に発表する。滑らかな変動でない場合への拡張について考察する。次年度は本研究最終年度であり、これまで得られた成果を海外へ積極的に発信する。
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Research Products
(13 results)