2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K04916
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
種村 秀紀 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (40217162)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 無限粒子系 / 点過程 / 相互作用系 / ディリクレ形式 / 確率微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
Poisson点過程で中心が分布されているstick がどの様に繋がり、クラスターを形成するかについて研究を行った。Poisson点過程の密度を高くしてstickが多数集まる様にすると共に、クラスターのstick数が一定になる様に制限した時に、クラスターの形がどの様になるかを調べた。stick の方向が2種類である場合は、その長さが長い方が1本、そのほかのstick は全て長さの短い方向のstick によりクラスターが形成される。そして、同じ方向のものは重なる様に集まる。そしてクラスターの形は、2種類の方向を持つstick が重なっていれさえすれば、どの重なり方であっても等確率で存在しうることあが示された。これはエントロピーが最小になるstickの分布である。 次にstick の方向が3種類である場合は、クラスターを形成するstickの方向は2種類であり、3種類全てが現れることはない。その2種類の選ばれ方は、stickの長さと方向により決定する。またクラスターの形は、2方向の様に2次元的に自由度を持つ場合、1次元的な自由度を持つ場合、全て中心で重なる場合の3つの相に分別される。つまり相転移現象が現れる。独立であるPoisson点過程に基づく比較的簡単な模型で相転移が現れることは興味深いです。長距離相互作用を持つ場合の相転移現象との関連の有無について議論の価値がある。(Rahul Roy 氏との共同研究) 無限粒子系に対応するディリクれ形式は、滑らかに局所関数上で定義された二次形式の閉拡張となるものが扱われているが、ある条件の素でその拡張が一意であることが示された。(長田氏河本氏との共同研究)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無限粒子系を表す確率微分方程式の解の存在と一意性、ディリクレ形式の一意性、点過程に関する研究など、本研究課題の目的に関する結果が得られており、概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
Gibbs分布は、Poisson 点過程に基づき、Ruelle クラスに属するポテンシャルにより相互作用を与えて構成されているが、行列式過程に基づき相互作用を与えて新たなる点過程を構成することができる。それらの多くは、準Gibbs分布というGibbs分布を一般化したものになり、これまでの研究結果を適用することができる。これらの点過程に対して相転移現象を研究し、新しい結果を導く。
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Causes of Carryover |
29年度内に購入が予定されていた書籍(洋書)が年度内に入手できなかったため。
購入予定であった書籍を購入する。翌年度分に請求した助成金は、30年度に予定通り使用する。
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