2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of complex analytic maps, Vojta's conjecture and invariants
Project/Area Number |
15K04917
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 潤次郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 名誉教授 (20033920)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 解析学 / 関数論 / 多変数複素解析学 / 値分布理論 / Vojta予想 |
Outline of Annual Research Achievements |
値分布とVojta予想の研究について、ディオファントス幾何に関する国際会議に於ける研究交流が蹶起となり、超越的な値分布理論とディオファントス幾何に関して命題文レベルに於けるアナロジー(例、Lang予想, Vojta予想)だけでなく更に一歩深い証明レベルでの関係が見出された。すなわち、本代表者が1981年に発表した準アーベル多様体に対するピカールの定理が、その上のねじれ点分布に関するRaynaudの定理(1983)の証明に適用されることが判明した。このような証明レベルでの直接的関係は、かねてより本研究代表者は求めていた。しかし、ロジック・モデル理論の極小順序構造論(o-minimal structure theory)が両者の仲立ちをするという認識は当該研究課題開始時にはなかったもので,興味深い成果である。現在この成果を踏まえて、P. Corvaja (Udine), U. Zannier (Pisa, E.N.S.)と共同で準アーベル概形の正則切断のて研究を進めている。 岡理論において残された問題の研究について、分岐リーマン領域のレビ(ハルトークスの逆)問題の成立する十分条件を初めて与えた。あるアーベル積分を用いるスカラー不変量の導入がポイントであった。応用として、これよりBehnke-Steinの定理(1949)の新証明が得られた。岡の連接定理の証明の分析より「弱連接定理」を定式化した.これを用いて岡潔の解決した3大問題について,収束巾級数とクザン積分(コーシー積分の半分積分)のみを用いる全く初等的な証明法を見出した。ここまでの初等化は研究課題開始時には想定していなかった成果である。今後は、これを更に整備したい。 以上の成果をもって、国際会議を含む多くの内外の会議・研究集会に参加、講演し、多くの参加者と研究交流を行い、本研究成果の国際発信を行った。
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Research Products
(42 results)